アクトビジョン 人と組織の未来のために

変化への適応②-2018年問題と必然・必要・ベスト

2015-09-18

前回ご案内の 「 変化への適応 」 の一つの形。

セミナーや研修等でこちらの題材をご案内すると、数年前までは

「 大企業だからできること 」

「 準備に膨大なパワーがかかる 」

「 人件費の増加に対応できない 」

などのお声が多かったものですが、最近は状況が一転、具体的な事例へのご質問も含めて、「 実際の取り組みを前提 」にしたお声が圧倒的に増えてきました。

こういった変化の背景を象徴しているのが、

「 これらの取り組みは、2018年問題を捉えてのことでしょうか? 」

というご質問。

今回は、昨年あたりから企業経営や人事を担う皆様が口々に話題にされる 「 2018年問題 」 について、少しだけ触れておきましょう。

◊ ◊ ◊

実は 「 2018年問題 」 は、話題にする方々によって全く異なる2つの問題があります。

一つは、続く少子化を背景にした、大学や学部の存続にかかわる問題。

年々減少する18歳人口に伴って、2018年から入学者数が定員割れになってしまう大学や学部が急増する……という問題で、教育の分野に携わる方々が話題にされる2018年問題は、主にこちらを指しています。

そして、もう一つがこの頁の本題、有期雇用無期雇用にかかわる問題。

2013年施行の改正労働契約法第18条に伴い 「 有期労働契約者からの無期転換の申し込み 」 が2018年から始まる……という問題で、 企業経営や人事を担う皆様が口々に話題にされる2018年問題は、圧倒的にこちらの方です。

◊ ◊ ◊

一つめの少子化に伴い大学入学者数の定員割れが急増……という2018年問題も、ある面では 「 有期雇用と無期雇用 」 の課題と深く繋がっています。

少子化は大学だけに留まらず、既に10年以上前から公立の小中高校も含め統廃合を加速。

昨年発表された全国5801校……という過去12年間の小中高校の廃校数に、驚きや様々な感情を過らせたのは私だけではないでしょう。

その数か月前には、まるで共時性を感じさせるように、有名予備校が全国28校中20校を廃校するという報道もありました。

予備校も含めて、数多くの学び舎の統廃合は 「 必要な教職員数の減少 」 を意味していて、この10年ほど 「 臨時任用 」 という名の 「 有期雇用 」 の教職員数が著しく増加している状況に繋がっています。

時代の変化は、様々な教育現場にまで 「 有期雇用と無期雇用 」 という課題を提示しているわけです。

◊ ◊ ◊

そして、もう一つの2018年問題。

こちらは、たくさんのアルバイト・パートさんを雇用している企業や組織にとって、極めて大きな問題です。

背景にあるのは、2013年4月1日施行の改正労働契約法。

その第18条で、

「 同一使用者との間で有期雇用契約が通算5年を超えて反復更新された場合、労働者からの申込みにより、無期労働契約に転換する 」

という「 有期労働契約者の無期転用ルール 」 が定められました。

これにより、5年後の2018年4月から、自社や自組織の有期労働契約者からの無期雇用化への申込みがいっせいに始まる……。

公布当初は、無期雇用化と正社員化の混同、労働者からの申込み……部分の拡大解釈や誤解なども相まって、経営や人事を担う一部の方々を慌てさせる場面にも出会いました。

あれから約2年。

現在、たくさんのアルバイト・パートさんを雇用する企業の多くは、

・各事業所や各店舗における有期雇用者の活用実態の 「 詳細な 」 把握

・有期雇用者への今後の活用方針の明確化

・基幹業務、補助的業務、繁忙期対応業務などの役割に応じた組織設計

・それぞれの採用基準や面接選考をはじめとした採用設計の再構築

・無期転換後の雇用条件や諸制度の設計

など、無期転用ルールへの対応を 「 緻密に 」 準備しています。

冒頭で触れた、

「 2018年問題を捉えてのことでしょうか? 」

というお声が増えた背景には、各社で急速に進む改正労働契約法への対応があったのです。

◊ ◊ ◊

ここでお伝えしたいのは、法律の改正も伴った今、「 機会によって自らを変える 」 ことの 「 必然・必要性 」 です。

冒頭で触れたお声に戻るなら、「 大企業だから…… 」 だけでなく、企業規模にかかわらず2018年は必ず訪れる。

採用や定着でお悩みの組織にとって、「 膨大なパワー 」 をかけるなら、まさにこの数年がベストなタイミング……というわけです。

前項でご案内したように、20年先までの労働力人口の減少は確かに予測される未来。

労働契約法だけでなくパートタイム労働法など様々な法律の改正、更には雇用政策の見直しも伴って、「 必然・必要性 」 のスイッチは次々と押されています。

必然・必要だからこそ、今こそ大きく舵を切り、ベストな選択へアクセルを踏み込む。

「 変化への適応 」 は、そのタイミングも極めて重要な要素です。

 
※有期雇用から無期雇用、有期雇用から正規雇用への転換、そのための人材育成の取り組みには様々な 「 助成金などの支援制度 」 があり、来年3月31日までは条件の緩和、助成金の増額などの措置が取られています。

ご興味のある皆様は こちら を参照頂き、最寄りのハローワークや労働局に問い合わせてみると良いでしょう。

《 コラム一覧はこちら 》 ・ 《 コラムアーカイブスはこちら 》

←「アルバイト・パート採用の現状前章へ次章へアルバイト・パート募集のコツ」→

ページ上部へ戻る