アクトビジョン 人と組織の未来のために

自社の中のメッセージ – 育成方針を明確にする視界

2011-10-20

人の成長。活性化する組織。

企業経営やマネジメントを担う皆様をはじめ、人と組織を成長発展させたい……
そんな熱い想いの皆様を応援する、人材育成のヒント集。

アクトナビの藤井です。毎々お読み頂きありがとうございます。

 
前回 ご紹介の、育成方針を明確にし、組織全体で徹底的に共有する

では 『 育成方針 』 はどうやって明確にすれば良いのでしょうか?

というご相談も多く戴きます。

今回は、育成方針を明確にする視界をご案内していきましょう。

human_resource_development_method_002

またまた “ なでしこジャパン ” で盛り上がっている女子サッカーの例で恐縮ですが、今回の “ なでしこジャパン ” の戦略では、『 パスサッカー・選手間の連携・セットプレー 』 や 『 チームプレー 』 などのキーワードが飛び交っています。

フィジカルの課題を克服するため、一人の選手の力量や個人技で勝とうとするのではなく、チームとしてパスを繋ぎながらセットプレーで点を取るという戦略です。

報道も、ひたすら連携プレーやセットプレーを練習している……と伝えるように、この戦略で求められるのは、正確なショートパスやスルーパス、そして的確な連携力。 

よって、なでしこジャパンでは、パスやセットプレーの上手くなった選手を 『 成長 』 と見なし、『 評価 』 して積極的に起用します。

一方で、個人技やドリブル力で突破し、強烈なシュートで点を取る戦略のアメリカチームやドイツチームは異なります。

選手間の連携の前に、まず徹底的に磨きぬいた個人技や鍛えあげたフィジカル。
それが、『 成長 』 と 『 評価 』 の証です。

サッカーも、企業における組織運営も、ある意味ここは同じところがあります。

要は、

『 育成方針は、企業方針や組織戦略の延長線上にある 』

ということです。

組織が異なり、理念や戦略が異なれば、身につけて欲しいこと、成長の視点が変わる。

組織と戦略によって、「 成長 」と 「 評価 」 の方向は様々に分かれていくわけです。
 
 
一例として、事例掲出をご了解戴いたA社様とB社様でご説明しましょう。

human_resource_development_method_003

A社様は、『 日本伝統の文化を通して、心豊かな暮らしを提供する 』 を企業思想として、企業方針のひとつに 『 伝統の継承 』 を置いている組織です。

当然、育成方針の一環も 「 伝統技術の習得・伝統文化の継承 」 というキーワードを置き、これまで日本人が脈々と培ってきた技術や文化を守りぬき、しっかり未来へ伝えられる人材を育成しています。

human_resource_development_method_005

一方、B社様は、『 変革と新しい価値の創造で、わくわくする未来を提供する 』 を企業思想として、企業方針のひとつに 『 これまでにない価値の創造 』 を置いている組織です。

こちらの育成方針には、「 オープンマインド・変革・創造 」 等のキーワードがあり、常識や思い込みから解放され、多様性を積極的に拡大する人材、現状を変革し、これまでにない新しい価値を生み出せる人材を育成しています。

かたや 『 守ること伝えること 』 を求め、かたや 『 変えること創ること 』 を求める組織。

どちらが良い悪いとか、どちらが正しい正しくないではなく、前述の例に戻るなら、これは日本チームとアメリカチームの違いのようなもの。

『 チームプレーや連携 』 と 『 鍛えあげたフィジカルや個人技 』 同様、追い求めるものが  『 継承 』『 変革 』 なのですから、それぞれの組織での必然・必要・ベストな育成方針は、それぞれ異なる形になって表されていくわけです。

これらは、一例として、下図のような流れで策定していきます。

human_resource_development_policy_Sample

『 経営理念や企業思想 』 、『 トップや組織で働く人たちの志や価値観 』 を入口として、『 内的資源 』、『 外的要因 』 等の分析を経た、組織の 『 ビジョンやミッション 』 。

ではそれを実現するために、何をどんなやり方でどうするのかという 『 方針・戦略 』 や、 そのために最適な 『 フォーメーション・しくみ・制度・風土 』 。

そこからは、自ずと個々のメンバーの

『 果たして欲しい役割 』『 生み出して欲しい成果 』『 成長設計 』

が導き出されてくるでしょう。

こういった流れをそれぞれ具体的な言葉にし、順に並べていく。

それを一呼吸置いてから、改めて見つめ直してみてください。

自社や自組織の現在から未来に沿って

『 自社らしい人材像・ありたい人材像・求められる人材像 』

が浮かび上がり、徐々に鮮明になっていくはずです。

human_resource_development_method_007

自社は、〇〇という理念を大切に、◇◇という強みを活かして、△△を戦略とする。

だから、

「 〇〇らしい人であるべき、◎◎な人でありたい、◎◎な人が求められる 」

ここまで描ききると、組織の人材育成……は一変します。

それは、いわば人材育成の目的地だからです。

human_resource_development_method_008

この後は、その目的地に向かって、組織内で共有するための道標や標識を創る感覚です。

特に急速に組織規模が拡大している組織ほど、ある地点を越えると、それまで掲げなくてもよかった道標や標識が必要になるものです。

向う目的地はどの方向のどこにあるのか……共に働くかけがえのない人たちが明確に分かるよう、項目を分けたり、成長段階ごとの指針を示したり、スローガンの形を交えたり……。

先ほどのチャート図は、汎用性の高い項目例として、必要な知識、身に着けるべきスキル、望ましい具体的行動と、それらを繋ぐ健全なものの考え方、そして、土台となるマインド ( 仕事への姿勢・意欲・スタンス・心構え・パッション ) を育成項目としたものです。

今いる場所……現状から、向かっていく目的地……理想とする人物像。

社員ひとり一人が、その方向と場所が分かるよう示すものが、育成方針というわけです。

《 コラム一覧はこちら 》《 コラムアーカイブスはこちら 》

←「人材育成・組織活性」前章へ

ページ上部へ戻る