2014.09.10
組織活性化、最高のチーム創りの入り口である募集・採用活動。
面接力を向上させたい面接担当者様をはじめ、人材採用を担う皆様を応援する
『 採用力 』 を高めるためのヒント集。
アクトナビの藤井です。
毎々ご愛読頂きありがとうございます。
ご案内している 面接力を高める5つのコツ 。

歓迎・認知力 (ウエルカム力) を発揮して応募者の緊張を解きほぐし、リラックスした心地良い雰囲気の中で面接への “ 心の前傾姿勢 ” を高めたら、次は、『 共感・交流力 ( コミュニケーション力 ) 』 の出番です。
面接という限られた時間の中、応募者の人となりを知り、応募者に自社や自組織を深く知ってもらいながら、自社への意欲を高めていく。
そのためには、如何に早い段階で会話を弾ませ、如何に密接な関係性を築き、如何に密度の濃いやりとりをするか……が大切なポイントになってきます。

人と人とが出会い、共感・交流の中で深い関係性を築く。
この要素は、単にこの後の取材・観察 ( インタビュー ) に入りやすくしたり、応募者の本当の姿を引き出し易くなる……だけではない、重要な役割をも担っています。
たくさんの企業様の採用に携わる中、「 辞退率の低い面接、定着率の高い面接 」 を辿っていくと、その多くが、面接担当者をはじめとする 『 人との出会い 』 『 人との交流 』 が応募者の心に深く刻まれている面接……であることに気づきます。
面接が、応募者と面接担当者の人間関係創りの場にもなっている。
真の意味で面接力を高めるためには、取材・観察し応募者を見極めるという側面だけではなく、親密な関係性を築き、応募者の心に深く残るという側面も磨くことが大切なのです。
これは更に、後程ご案内する 『 ファン化・同志化 ( モチベイト ) 』 にも繋がっていて、応募者の心を自社や自店に惹きつけ、入社への意欲を高めるというところにも貢献します。
ここでご紹介しておきたいのが 『 ラポール 』 です。
心理学用語として浸透し、最近では営業や接客、マネジメントの世界でも広く活用されているので、ご経験のある方にはお馴染みかもしれません。
もともとはフランス語で “ 関係 ” という意味を持つ言葉ですが、ここでは人と人とが互いに親密で打ち解けた関係を築き、心と心の深いところにベルトが掛かる状態のことをいいます。

親密な、心と心が通い合う状態。
互いに心の扉を開いた、和やかで打ち解けた状態。
面接力を高める第2のコツは、応募者の心の扉を開き、まさにこの 『 ラポール 』 を築くところから始まるわけです。
えっ……心のベルト? ……心の扉? ……どうすれば?
そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心下さい。
前回のご案内迄の過程で、既にラポールは少なからず築かれ始めているはずです。
特に 前回の 『 歓迎・認知 ( ウエルカム ) 』 の項 で触れたポイント
・柔らかな笑顔
・会話の中に名前を鏤める
・温かい態度、明るい雰囲気
・しっかりと応募者の顔や目を見て話す
・応募者を尊重する
・好意を示す
・気遣う
・礼儀正しく、敬意をもって話す
などは、ラポールを築く土台にもあたるもの。
実はこれらのポイントは、応募者の緊張を解き、面接への心の前傾姿勢を高めるだけでなく、『 共感・交流 ( コミュニケーション ) 』 段階への布石の役割……も果たしています。
もう一方で、面接力の高い方々は、揃って 『 鏡の法則 』 という言葉を口にされています。
応募者の状態は、面接を担う自分自身の状態の鏡のようなもの。
自分が緊張していると、応募者にもその緊張が伝わって緊張しあう面接になる。
自分から心の扉を開くと、応募者も扉を開き、深いラポールの中で面接ができる。
面接を担う自分自身がまず身構えず扉を開くことで、応募者も心の扉を開き、深い共感・交流 ( コミュニケーション ) が生まれていくのです。
では、更にラポールを深め、親密な関係性を築くための、より具体的なポイントは?
次回も含め、共感・交流 ( コミュニケーション ) については、もう2回ほどご案内していきましょう。
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2014.09.16
組織活性化、最高のチーム創りの入り口となる人材採用。
自社や自組織の大きな資産ともなる 『 採用力 』 を高めるためのヒント集。
アクトナビの藤井です。
毎々ご愛読頂きありがとうございます。
ご紹介している 面接力を高める5つのコツ 。
その2つめのポイント 『 共感・交流力 ( コミュニケーション力 ) 』 について、ご案内を続けましょう。

前回 ご紹介したラポール。
親密な心と心が通い合う状態。
互いに心の扉を開いた、和やかで打ち解けた関係。
ラポールを築く具体的な点も含め、共感・交流 ( コミュニケーション ) の段階では、次のようなことも整理しておきたいポイントになります。
①会話の弾む打ち解けられる話題を選ぶ ( 話題提供法・共通広場法 )
・応募者にとって話しやすい話題、当たり障りのない話題から入る。
・応募者との共通の話題や、互いに興味関心のある話題を選ぶ。
②会話のリズム、流れを大切にする ( YES AND 法・同意加算法 )
・応募者の話をいきなり遮ったり、否定的な受け答えをしない。
・応募者の動作や言葉、話すリズムやペースにあわせて会話を進める。
・応募者の方に、たくさん話してもらうようにする。
③応募者の話をしっかり受け止め、言葉以外のメッセージを読み取る ( 傾聴力・感知力 )
・応募者の話は、頷く、相づちを打つなど、身振り手振りや 「 なるほど 」 「 それは素晴らしいですね 」 などの言葉で、 “ しっかり受け止めていることを示しながら ” 聴く。
・表情やしぐさ、口調や声のトーンの変化などから、応募者の言葉に出ないメッセージを読み取り、サインが出てきたら次の段階に進んでゆく。
如何でしょう。
互いに興味関心がある話題、話をしていて楽しい話題は、自然と打ち解けた場を創り、会話を弾ませてくれるもの。
『 共感・交流 ( コミュニケーション ) 』 の段階では、まずは会話を弾ませていくことを意識して進めてゆくと良いでしょう。
この時点では、いきなり応募者の話を遮ったり、否定的な受け答えをしないこともポイント。
この後ご案内する 『 取材・観察 ( インタビュー ) 』 までは、応募者の心の扉を開いていく段階です。
心地よい会話であることが大切なのです。

一方で、会話を弾ませると聞くと、話の上手い饒舌な面接担当者をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。
しかし面接力の高い方々は、もっぱら応募者に多く話してもらうようにしていて、自らは聴き手に回っている場面の方が多いものです。
それでも会話が弾んでゆくのは、“ 聞く ” ではなく “ 聴く ” 姿勢や態度、応募者のリズムやペースに合わせて受け答えをしているところがポイントです。
相づちを打つ、頷くなどの他、しっかり話を受け止めているよ……ということを、表情や身振り手振りでわかり易く示しながら聴いていく。
そうして応募者の話すリズムやペースに合わせ、
「 なるほど 」 「 それは素晴らしいですね 」 「 それはよくわかりますよ 」
などと心地よく受け答えを返していく。
根底にあるのは、面接を担う自分自身が、身構えず大きく扉を開いている状態です。
そういった方とお会いして、なんだかいつもより気持ちよく饒舌に話していた……。
そんなご経験は、きっと皆様もお持ちのことでしょう。
そうして会話を弾ませていきながら、次の 『 取材・観察 ( インタビュー ) 』 へのタイミングを計るわけですが、ここでは 「 言葉に出ない応募者の変化 」 に注意です。
表情、動作、口調、声の変化等から、応募者の心の動きや感情の変化を感じ取り、心の扉が大きく開いてきたら 『 取材・観察 ( インタビュー ) 』 に進みましょう。

ここで忘れてはならないのが 面接前の 「 事前準備 」 や 「 予習 」 です。
皆様は、面接での応募者との対面、どんな第一声を掛けているでしょう。
面接力が高いと感じる方々の共通点は、この第一声からの話題が、ある程度 「 事前準備 」 や 「 面接前の予習 」 に基づいたものであるということです。
冒頭、互いに興味関心のある話題……とご案内しましたが、初対面での会話です。
事前準備もないままでは、何を話して良いのかなかなか解るものではありません。
また、応募者の名前を呼びかけながら……と、これまで繰り返ししてきたご案内も、うる覚えのまま面接に入り、名前を呼ぶ度に毎回書類で確認しているようでは、さすがに応募者も興醒めしてしまいますよね。
応募受付シートや事前書類等をしっかり読み込み、応募者の名前や属性はもちろん、第一声からの話題をある程度シュミレーションして面接に臨む。
私もこれまで本当に数多くの方々を面接してきましたが、事前書類にバイクやツーリング、ギターやバンド、富士山……などの記載があった面接は、なんだか自然に会話が弾み、毎回とても充実した面接、密度の濃い面接になっています。
面接をより良いもの、より密度の濃いものに変える面接前の準備や予習。
これは、ラポールを深め、親密な関係性を築くためだけでなく、この後の 『 取材・観察 ( インタビュー ) 』 でも大きな力を発揮しますので、ぜひ時間を取って戴くことをお勧めしています。
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2014.09.22
組織活性化、最高のチーム創りの入り口である人材採用。
面接力を向上させたい皆様をはじめ、募集採用活動を担う皆様を応援する
『 採用力 』 を進化・発展させるためのヒント集。
アクトナビの藤井です。
毎々ご愛読頂きありがとうございます。

ご紹介している 面接力を高める5つのコツ 。
その2つめのポイント 共感・交流力 ( コミュニケーション力 ) 。
これまで、
・面接は応募者との人間関係創りの場でもある。
・辞退率の低い面接は、応募者の心に人との出会いが深く刻まれている面接。
・親密な関係性を築き、応募者の心に深く残ることも面接の役割。
・面接の導入では、会話を弾ませ、応募者の心の扉を開き、ラポールを築く。
・ラポールを築くための話し方、聴き方、受け止め方。
・話は、耳だけでなく表情や動作等で受け止めていることを示しながら “ 聴く ” 。
・言葉に出ない応募者のメッセージに注意し、サインが出ていたら先に進む。
・より良い面接、より密度の濃い面接には、事前準備や面接の予習は欠かせない。
など、2回に渡って種々ご案内してきましたが、最後に次のような点も、あえて押さえておきたいと思います。
・面接担当者は、面接に相応しい服装や清潔感のある身だしなみで応対する。
・面接予定時間に遅れたり、面接の途中で中座したりしない。
・応募者の対面時、まず丁寧な挨拶と共に、応募頂いたことへの感謝やお礼、面接にお越し頂いたことへの歓迎の意を伝える。
・面接担当者の方からも、しっかりと自己紹介をする。

服装や身だしなみ。遅刻や中座。挨拶やお礼や自己紹介……。
まるで毎春、各企業様で行われる新入社員研修の初日のような内容でしょうか。
しかし、実際に、挨拶や自己紹介もそこそこに、いきなり面接の本題に入ってしまう面接者は意外に多い……ことに、度々驚かされることがあります。
私も仕事上、応募者から各媒体に入った相談を受け窓口として解決にあたったり、お客様から募集採用活動上のトラブルについてご相談を受けたりすることがありますが、詳しく話をお伺いしていくと、実は上記のようなことが発端というケースが多いのです。
本来ならトラブルにはならないようなことが、面接担当者の遅刻や度々の中座、身だしなみや物の言い方・立振る舞いなどに端を発し、齟齬や誤解となって拡大してしまう……。
ご相談の多くは、応募者との人間関係創りを大切にし、ラポールを密接に築いているなら、まずトラブルにはならないようなことがほとんどです。
その意味では、『 共感・交流力 ( コミュニケーション ) 』 の段階をしっかり押さえ、応募者とラポールを築きあげて親密な関係性を深めていくことは、
募集採用活動上の無用なトラブルを回避させる
という一面があることも、押さえておきたいポイントのひとつになってきます。
面接を担う方々は、組織のトップやそれに準ずる方が多く、どうしても多忙な中、事前の業務が押してしまったり、時を選ばず緊急の用件が入ることもあるでしょう。
だからこそ、基本の基本を肝に銘じておく。
まさに新入社員研修のようなことだからこそ、立ち戻って面接に望みましょう。
応募者と面接担当者は、あくまでも対等。
互いに壮大な人生を歩んでいる人と人。
面接は、応募者と面接担当者の人間関係創りの場でもある……。
以前ご紹介の 「 素敵な物語がはじまる 」 の想い も振り返って頂きながら、皆様の面接が、ぜひ 『 素敵な物語のはじまり 』 に相応しいものになりますように……。
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