アクトビジョン 人と組織の未来のために

アルバイト・パート採用の現状

2015.08.25

アルバイト・パート採用の現状-求人倍率推移から

経営やマネジメントを担う皆様をはじめ、人と組織を成長発展させたい……。
そんな熱い想いの皆様を応援する、アルバイト・パート活用のヒント集。

アクトナビの藤井です。毎々ご愛読頂き誠にありがとうございます。

 
前項 の 「 アルバイト・パート活用の土台創り 」 に続いては、時代の流れの中で大きく変化している 「 アルバイト・パート採用を取り巻く現状 」 を押さえていきましょう。

昨年、新聞などで報道されたアルバイト・パートの採用難に纏わるニュースの数々。

報道されたような大きな企業だけではなく、アルバイト・パートさんの採用に苦労する……というお声は、ここ数年、年を追うごとに増えてきています。

求人募集をしても以前のように応募がない。

応募があってもなかなか面接に至らない。

採用を決めても辞退されてしまうケースが増えた。

近隣の時給相場が上がり続けている。

追従せざるを得ない状況だが、人件費の大幅な増加への対策が追い付かない……。

これらのお悩みを統計データから具体的に見ていくと、例えばこの5年間の有効求人倍率は下記のように推移しています。

yuukoukyuujin bairitu2010-2014

これまでも度々ご紹介してきた有効求人倍率の推移。

採用が難しくなっている……のは、一昨年や昨年の状況に対し、具体的にどのくらいの変化なのかを把握する一助となります。

今回は季節的変動要因が大きいアルバイト・パートさんが主役ということで、四半期ごとの季節調整値の方で比較。

更に

① パートタイムのみ
② 新規学卒者を除いた全体
③ 新規学卒者とパートタイムを除いた推移

の3つの視点で整理したものを添付しておきました。

こちらのグラフをセミナーなどでご紹介すると、

「 えっ、アルバイト・パートさんの方が有効求人倍率が高いんですか? 」

「 グラフは逆になっていませんか? 」

というお声を時折頂いたりもしますが、逆ではありませんのでご安心ください。

アルバイト・パートさんの方が有効求人倍率が高い……。

この統計元が公共職業安定所 ( ハローワーク ) におけるデータであることを前提としても、これまでアルバイト・パートさんの方が競争率が低く採用し易い……と思っていた方には、意外な事実かもしれません。

◊ ◊ ◊

こちらのグラフからは、年を追うごとに……どころか、四半期ごとに、企業やお店にとっての採用環境が厳しくなっている現状が身に沁みます。

先日発表された2014年12月の有効求人倍率 ( 新規学卒者を除きパート含む ) は1.15倍。

2014年10月の1.10倍、11月の1.12倍に続く3カ月連続の上昇は、新聞やニュース等で22年9か月ぶりの高水準……と報じられました。

更にパートタイムだけの有効求人倍率の推移を見ると、2012年に1.0倍まで回復した後、一昨年には瞬く間に1.2倍を超え、昨年は1.34倍から1.41倍まで上昇。

確かに採用難を裏付ける厳しい採用環境です。

ここで大切なのは、対策を考えるにあたって、3%~4%の微妙な変化に対する打ち手と、30%~40%もの大きな変化に対する打ち手では、

「 考えるべき解決策の質と量が根本的に大きく変わる 」

ということです。

取り組むべきはこの3年で40%以上の大きな変化に対する解決策。

統計による事実は、小手先の工夫ではとても追いつかないほどの大きな変化……であることを示しています。

◊ ◊ ◊

この傾向は東京や名古屋を有する愛知などでは更に顕著で、新規学卒者を除く全体値の比較でも、下記のように動き方に目に見える開きが現れています。

yuukoukyuujinbairitu_tokyo&aichi

東京は2020年の東京オリンピックへ向けた動きが加速しています。

名古屋駅周辺は続々と超高層ビルが建設され、来るべき中央リニア新幹線を待ち構えます。

東京―名古屋間が最速僅か40分……。

日本全体で人口減少が進む中、両都県は三本指に入る人口増加率ですが、厳しい採用環境は今後もしばらく続くかもしれません。

東京や愛知の皆様は、長期的な変革も含めた採用戦略、3%~4%の変化に対してではなく、50%~60%の変化に対する打ち手、根本的な対応の視点が大切です。

 
次回は、時給相場の推移を見ていきましょう。

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2015.08.31

アルバイト・パート採用の現状-時給相場の動きから

ご案内しているアルバイト・パート採用を取り巻く現状。

今回は、「 近隣の時給相場が…… 」 の具体的な動向として、最低賃金の推移から見ていきましょう。

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こちらは全国加重平均だけでなく、最低賃金の上位5都府県の推移です。

2006年あたりを境にして、動きが変化していることが見て取れます。

東京の最低賃金は、この10年で710円から888円になりました。

大阪は704円から838円に。

愛知は683円から800円に。

実態は 「 業界 」 や 「 具体的な仕事内容 」、「 最寄り駅や中心部か周辺地域か 」 等にもよりますが、この金額プラス70円から120円辺りがボリュームゾーン。

単純計算をすると東京では960円~1010円。

大阪では900~950円。

愛知では870~920円あたりがボリュームゾーンとなっています。

東京の都心部では、時給1000円以上の求人募集もかなり目にするようになりました。

◊ ◊ ◊

ここで見落としてはならないのが、新しいアルバイト・パートさんをどう採用するか……の視点だけでなく、既存のアルバイト・パートさんの定着や離職防止への視点です。

前回ご案内のように求人倍率は、年を追うごとにどころか、四半期ごとに上昇しています。

求人倍率が上昇すると掲出される情報量が増えるので、より条件の良い募集などを目にする機会も増加します。

近隣店舗の時給が上がり続ければ、頑張ってくれているアルバイト・パートさんもいろいろ考えてしまうかもしれません。

この点は正社員層も当てはまるのですが、有効求人倍率が上がると転職者数も増加する傾向がある……ということです。

「 周りの給与や待遇を気にするのも…… 」

というお声も頂きますが、変化の激しい時代です。

自社や自店舗の近隣の動きはどうか、募集する職種の相場の動きはどうか……等を確認するのは、募集採用のためだけでなく、定着や離職防止の取り組みのためでもあります。

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2015.09.04

アルバイト・パート採用の現状-就業構造の変化から

ご案内しているアルバイト・パート採用を取り巻く現状。

今回は、時代の変化の中、多様化している就業構造について見ていきましょう。

変化する時代の中、多くの企業や組織でアルバイト・パートさんを含めた雇用形態の多様化が急速に進んできました。

こちらは企業やお店側の視点では、「 組織構造の変化・マネジメント体制の変化 」 として肌で実感されている方も多いことでしょう。

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上記は、アルバイト・パートさんを含めた非正規労働者数の推移。

この30年で、非正規雇用者の人口は3倍以上になり、その割合は15.3%から37.9%まで増大してきました。

この統計は、アルバイト・パートだけでなく、契約社員、派遣社員、嘱託などの雇用形態も内包。

その内訳は2013年、「 就業先がどんな呼称で呼んでいるか 」 を集計した内図のように、パートさんの割合が約49%、アルバイトさんの割合が約21%と、アルバイト・パートさんを合わせて約70%となっています。

このコラムの中では意図して 「 アルバイト・パート 」 の順序で表記を統一していますが、実はパートさんと呼ばれる人口がアルバイトさんと呼ばれる人口を大きく上回っている……ことも、ここで押さえておきましょう。

◊ ◊ ◊

「 これだけアルバイト・パートで働く人が増えているのに、なぜ求人倍率は高いまま? 」

前回までのご案内をお読み頂いている皆様の中には、このグラフから、そうお感じになる方もいらっしゃるかもしれません。
 
その背景の大きな要因のひとつとしては、非正規雇用の求人が 「 更に上回って 」 増加していることが挙げられます。

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上記は、パートタイムのみの 「 求人数 」 と 「 求職者数 」 の推移です。

ここ数年、アルバイト・パートの 「 求職者数 」 は、ほぼ横ばいか緩やかな減少傾向。

対してアルバイト・パートの 「 求人数 」 は、数年に渡って増加し続けています。

この結果アルバイト・パート就業人口も増え続けますが、有効求人倍率も上昇し続ける……というわけです。

 
「 では、正社員層の方が採用し易くなっている? 」

とお感じの方もいらっしゃるかもしれません。

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上記は、新規学卒者とパートタイムを除いた 「 求人数 」 と 「 求職者数 」 の推移。

「 求人数 」 は増え続けているけれど 「 求職者数 」 は減少し続けている……という状況は非正規雇用と同様で、「 求職者数 」 の減少傾向は更に顕著に表れています。

この5年で各企業からの 「 求人数 」 は約77万件から141万件に増加しているのに対し、「 求職者数 」 は約216万人から141万人に減少。

正社員層の採用も、企業や店舗にとって厳しい環境になっていることが映し出されます。

 
非正規雇用も正規雇用も 「 求職者数 」 が減少し続けている……。

この動きの 「 背景 」 を少しマクロの視界で見ていくと、採用や人事を担う皆様の多くは、改めて強い危機感を募らせます。

けれど、それは、採用や人事を担う立場として直視しなければならない現実……。

次回は、この点について、少し時間軸を広げ触れることに致しましょう。
 
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