アクトビジョン 人と組織の未来のために

人材育成-共通の仕事観を育む

2012.01.25

『働く意味』『仕事とは何か』の共有

活き活き成長する人材。わくわく活性化する組織。

共に働くかけがえのない仲間と、大切な組織をもっともっと進化・発展させたい。
そんな熱い想いの皆様を応援する、人材育成のヒント集。

アクトナビの藤井です。毎々お読み頂きありがとうございます。

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『 あなたは何のために働くの? 働くってどういうことだと想う? 』

前回の話 を受け、今回から5回に分け、いわゆる 『 健全な仕事感や共通の価値観 』 を育むための一例として、よく新人研修などで共有している話をご紹介しておきましょう。

『 皆さんにとって働くってどんなことですか? 』
『 皆さんは何のために働くんでしょうか? 』

毎春の新入社員研修。

そこで私は 「 スキル 」 や 「 知識 」 の研修の前にそんな問いかけをし、新入社員同士でディスカッションをしていただく時間をとることがあります。

「 お金を稼ぐため 」
「 働かないと生活できないし…… 」
「 学校を出たら皆働いているし…… 」

毎回いろいろな意見が出される中、私はこんな話を付け加えてみます。

『 考えるヒントとして、今皆さんが着ているその服を例にとってみましょう 』

今の新入社員たちは、ほとんどのメンバーが上質なウールのスーツを着ています。

その服を皆さんが着るまでに…… 

羊を飼う人-図

どこかで羊を飼う人がいて
羊の毛を刈る人がいて
刈った毛を、洗う人がいて……

それを紡いで糸にする人がいて
その糸を染色する人がいて
それを織って布にする人がいて……

洋服をデザインする人、布を裁断する人、洋服へ縫いあげる人、できた洋服を保管する人-図

別にその洋服をデザインする人がいて
そのデザインどおりに布の型を取る人がいて
その型どおりに布を裁断する人がいて……

別にボタンやファスナーを作る人もいて
裁断された布を洋服に縫いあげていく人がいて
できた服を販売店へ運んでいく人がいて
そしてようやく、お店で、それを売る人がいて……

洋服を運ぶ人-飛行機-船-トラック-洋服を店で売る人-図

なんだか今着ている服ひとつを取ってみても、それはそれは沢山の人たちが 「 はたらく 」 ことで、今、自分はこの服を着ることができているということに気づきます。

他にもいろいろあるでしょう。

今、皆さんが履いているその靴。今、皆さんが使っているその鞄。
今朝、飲んだあのコーヒー。昨夜、お腹いっぱい食べたあの食事。
現在、住んでいる家。夜、部屋を照らしてくれた灯……。

さまざまなことに想いをめぐらせ、同様に考えていくと、自分のために、それはそれは沢山の人たちが 「 はたらいている 」 ……そんな本質が見えてきます。

本当に沢山の人たちが自分のために 「 はたらく 」 ということが見えてくる中で、皆さんは、自分だけは何もせずに、それらを受け取るだけでいられるでしょうか?

自分も、なにか返したいと、“ むずむず ” するような感覚が湧いてこないでしょうか?

……。

ここまでくると、多くの新入社員たちも、はっと何かに気づいたような表情を浮かべます。

そうして、

「 はたらく 」 の語源や、本当の意味ってどういうことだと思いますか?

という問いかけをし、またディスカッションを続けていきます。

「 はたらく 」 の語源を考え想いを深めたり、自分達で想いを巡らせ、 「 はたらく 」 ということの本当の意味について定義してみる。

こうした過程を通し、まさに 『 健全な仕事感や共通の価値観 』 を育むことに繋げていくわけです。

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2012.01.30

「 はたらく 」 と 「 働く 」

 「 はたらく 」 の語源や、本当の意味ってどういうことだと思いますか?

そう問いかけたディスカッション。

「 人が動くと書いて 『 働く 』 と読みます 」 という意見なども必ず出てきますが、前回の話もあり、多くは、

 「 はたらく 」 = 「 はた 」 を 「 らく 」 にする = まわりの人たちを楽にすること 

に自分たちで行き着いていきます。

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日本語の 「 はたらく 」 という言葉は、縄文時代から弥生時代の間に生まれた……という説があります。

あの時代、人々は50人から100人位の集落を作り
ある人はお米を作り、ある人は家を建てるため木を切り
ある人は獣を獲りにいき、ある人は木の実を取り
ある人は土をこねて土器を作る……。

集落のひとり一人がしっかりと役割を持ち 「 はたらく 」 ことで、みんなで支えあい、みんなが不自由なく暮らしていました。

お米を作ることは稲作と呼ぼう。
獣を獲りにいくことは狩りと呼ぼう。

それぞれに対して 「 言葉 」 が生まれていきますが、どうも、これら全てに共通する感覚、総称するにふさわしい言葉が見当たりません。

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こういったことの全てを現すにふさわしい 「 言葉 」 ……。

ここからが、私たちの祖先の仕事感、価値観への夢とロマンを感じるところです。

日本人の祖先は、そこに、単純に 「 人が動く 」 という感覚ではなく、

「 まわりの人たちを楽にする 」

という感覚、価値観を見出したのです。

人は生まれた時から、ひとりで生きているのではない。

共に生きる周りの人たちと一体になり、互いに恩恵を受けあい、だからこそ自分も何か周りの人たちに貢献をしながら、互いに支えあって命を繋いでいる。

そうして「はた」を「らく」にする……「はたらく」という「言葉」は生まれた……と。

私は、縄文時代や弥生時代に暮らしていなかったので、本当かどうかは解りません。

しかし、良い話だなぁと新入社員研修などでも題材にし、日本人であることの誇りも含め、仕事感や共有したい価値観の一例として共有させて戴いています。

そこは 「 僕ははたらきたくない 」 という人もいなければ、「 お金を稼ぐため 」 という人もいない世界。

それは、人として生まれ、人として生きるということの必然。

現代の私たちのDNAまで受け継がれ、しっかり刻み込まれている。

「 はたらく 」 ということは、実はこんなにもポジティブな価値観だったんですね……と。

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2012.02.06

より良く 「 はたらく 」 ための贈り物

「 何のために働くのか 」 は、「 何のために生まれてきたのか 」 に似ています……。 

毎春の新入社員研修では、時折、そんな声が飛び出すこともあります。

リクルートの人材事業では、

「 仕事が楽しいと人生が楽しい 」

というキャッチコピーでコマーシャルメッセージを送っていたことがありました。

確かに、仕事が楽しいと毎日が楽しい。幸せに働くことは人生全体の幸せに繋がっている。

仕事と人生。

何のために働くのかと、何のために生まれてきたのか。

この話題は流石に濃密な時間を引き寄せます。

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ここで良く題材にするのが、「 Gift 」 という英単語です。

前回 は日本語圏の祖先が主役でしたが、今回は英語圏の人たちの祖先が主役です。

「 Gift 」 という言葉は贈り物の意でよく使われますが 「 才能 」 「 天分 」 、少し拡大して 「 長所 」 という意でも使われているのはご存知でしょうか。

手元にあった和英辞典で 「 才能 」 という言葉を引くと、そこには、abilitycapabilitycapacitytalent …… などと共に確かに「 gift 」という言葉が載っています。 

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「 才能 」は、生まれるとき、それぞれに贈られた「 Gift 」 …… 贈り物。

敬虔なキリスト教徒でもある英語圏の祖先たちは、 「 才能 」 や 「 長所 」 を、幸せになるための神様からの贈り物……と捉えたのかもしれません。

より良く生きるために使いなさい。

その役割を果たすために使いなさい。

為すべき役割を果たすため生まれ出ようとするあなたに贈ります……。

なんだかそんなメッセージが聞こえてきそうです。

英語圏の人たちの価値観に学ぶなら、それは、この世に生まれ、それぞれ担う役割や果たすべき使命のようなものと繋がっているようです。

この 「 Gift 」 を使いこなすことが、より世の中の役に立つ……より幸せに働く……ことに繋がる。

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人が皆なにか役割をもって生まれるとするなら、

その役割を果たすための神様からの贈り物が「 才能 」や 「 長所 」

というわけです。

ここで、研修の流れによって、新入社員それぞれの、互いの 「 才能や長所探し 」 の時間を挟んでみます。

何のために生まれてきたのか……は、新入社員研修では流石に濃密すぎる題材ですが、

○○さんには、◎◎という才能や長所がある。それをどう仕事や社会に役立てたら良い?

と置き換えると、「 何のために働く 」 「 どう働く 」 と同様に考えることができます。

「 何のために働くのか 」 と 「 何のために生まれたのか 」 は、確かに良く似ていますが、そのヒントは、自分が得意なもの、自分の長所、一生懸命やっていても疲れを感じないものの先にあるというわけです。

この世に生まれ、為すべき役割を果たすための「 Gift 」

それを引出しにしまいこんだまま忘れてしまうことのないように。

そして、これから為すべき役割をしっかりと果たせるようになるように。

新入社員という熱い時期に、自分はどんな贈り物をもらっていて、どう使いこなすことがより良く働く……より良く生きる……ことなのか、深く向き合う時間になります。

自分の才能や長所をこれでもか!と活かしていくことが、より良く働くこと。

そして、より良く働くことはより良く生きることに繋がる。

その先には、Dream、Hope、Ambition、Vision……。

新入社員たちの心の中で、未来への 「 夢 」 や 「 希望 」 や 「 目標 」 や 「 志 」 ……が大きく広がっていきます。 

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