アクトビジョン 人と組織の未来のために

変化の時代-人が育つ組織とは

2012.10.19

変化する時代の人が育つ組織創り

共に歩むかけがえのない仲間と、大切な組織をもっともっと成長・発展させたい。
そんな熱い想いの皆様を、更に熱い想いで応援する人材育成のヒント集。

アクトナビの藤井です。毎々ご愛読頂きありがとうございます。

 
これまでご案内してきた、人材育成のための様々な取組み。

ここで補足しなければならないのが、これらは形だけを取り入れても、組織によって効果に差が出るケースがある……という側面です。

たくさんの企業の人材育成に携わる中、他の組織ではとても上手くいく仕組みや仕掛けも、それぞれの組織特性により効力が少しずつ変る……ところに組織活性の奥深さがあります。

それぞれの組織の特性とは、日々の組織習慣決定事項の決まり方人事制度や評価基準組織風土や企業文化、そして組織を束ねる方の考え方や価値観などが大きく関わるところ。

コラムの冒頭では、現場の育成視点を中心に……とお伝えしましたが、この項では少しだけ組織風土や企業文化の領域にも踏み込み、これらの仕組みや仕掛けが 「 活かされる組織 」 と 「 活かされない組織 」 がある……という点について触れておくことに致しましょう。

工夫や仕組みが「 最大限活かされる組織 」と「 少ししか活かされない組織 」……。

数多くの事例からは、それぞれの組織に共通する幾つものキーワードが浮かび上がります。

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ここでは、変化の大きな時代、その中からどうしても外せない

① 「 風通しの良い組織 」 と 「 風通しの悪い組織 」

② 「 多様性を糧にする組織 」 と 「 多様性を疎んじる組織 」

③ 「 目的や未来を語り合う組織 」 と 「 現在だけの組織 」

④ 「 ワオ!のある組織 」 と 「 遊びや面白さのない組織 」

⑤ 「 失敗を明日に活かす組織 」 と 「 失敗を許さない組織 」

の5つを取り上げ、5回に分けて掘り下げておきましょう。

これらは、少し見方を変えると 「 人が育つ組織 」 と 「 人が育ちにくい組織 」 にも繋がっています。

いっそうの本気で人材育成に向かうなら、これまでご紹介の様々な仕組みや仕掛けと共に、組織の状態に目を凝らすことが欠かせない時代。

まず次回は、 「 タテ・ヨコ・ナナメ 」 のコミュニケーション …… 組織の風通しについて掘り下げていきましょう。

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2012.10.25

人が育つ組織創り-風通しの良い組織

ご紹介している 「 人が育つ組織 」「 人が育ちにくい組織 」

人材育成のための仕組みや仕掛けが 「 活かされる組織 」「 活かされない組織 」

最初にご紹介するのは、 組織の風通し 」 というキーワードです。

 
「 人が育つ組織 」 に共通しているのは、同僚間、同期間、同じ職場内はもちろんのこと、上司や経営層、他部署など 「 タテ・ヨコ・ナナメ 」 のコミュニケーションがとても活発で、個々のエネルギーが真っ直ぐ組織の成長・発展に向かっているという特徴です。

揺るぎない相互理解と相互信頼。

素直に本音を語り合え、時には健全な形で感情もぶつけ合える組織。

一人一人の意見が伸び伸び発信され、互いにしっかり受け止めあっているので、協力・結束の力が強く、成果や価値創造へ個々のエネルギーが損失なく相乗している。

変化の時代の中、現場がキャッチする微妙な変動やそれぞれの部署が持つ情報との統合は、時に大きなヒントになることが多いもの。

組織の風通しは、そういったものをしっかり糧にするわけです。

「 タテ・ヨコ・ナナメ 」 に情報やノウハウが血液のように駆け巡る組織。

組織発展のアイデアがあれば、どの部署のどんな立場の人とも素で語り合える組織。

こういった組織は、様々な仕掛けの歯車も真っ直ぐ噛み合い、取り入れる仕組みも劇的な力を発揮しています。

風通しが良く、「 タテ・ヨコ・ナナメ 」 のコミュニケーションが活発な組織は、人が育つ組織でもあったのです。

◊ ◊ ◊

一方 「 人が育ちにくい組織 」 に共通しているのは、風通しの悪さです。

風通しの悪い組織は、個々の意見やアイデアを狭いところに閉じ込め、個々のエネルギーの行き場を迷走させます。

本来 「 タテ・ヨコ・ナナメ 」 が協力・結束して相乗効果を生み出すべき案件も、部署ごとの壁や互いの縄張り意識に阻まれ、けん制しあって行き詰まってしまう。

組織発展の大きなヒントになるはずの現場の感覚はましてや、感じる違和感も口にし難く、個々のエネルギーが成果や価値創造に届く前に大きく減衰している。

時に、感情まで閉じ込めて、ひとり一人が漠然とした不安感やストレスを感じながら仕事をしているのも共通する特徴です。

完全武装しなければ本音を口にできない組織。

いつもどこかで誰かが疎外感を感じている組織。

風通しの悪さは、本来、組織の成長や発展への大きなエネルギーとなるはずの要素まで狭いところに閉じ込めてしまいます。

こういった組織では、育つはずの新人社員も自分の中に閉じこもりがち。

様々な仕掛けの歯車も上手く噛みあわず、せっかく取り入れた仕組みも空回り。

風通しの悪い組織は、人が育ちにくい組織でもあったのです。

◊ ◊ ◊

ここでお伝えしたいのは、これまでご紹介してきた仕組みや仕掛けに目を向けるのならば、組織の風通しにも目を凝らしてみることの重要性です。

人材育成に本気で向かうなら、組織の状態によって風通しを良くするために窓を開け放ち、時には壁を取り払う必要があるかもしれません。

自社や自組織の「 タテ・ヨコ・ナナメ 」 のコミュニケーションを活発にする。

一見、人材育成とは関係がなさそうですが、人が育たない根本的な要因は組織の風通し……というケースは意外に多いものです。

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2012.11.05

人が育つ組織創り-多様性を糧にする

ご案内している 「 人が育つ組織 」 と 「 人が育ちにくい組織 」 。

人材育成のための仕組みや仕掛けが 「 活かされる組織 」 と 「 活かされない組織 」 。

2つめに浮かび上がるのが、「 多様性 」 というキーワードです。

 
「 人が育つ組織 」に共通しているのは、多様性を糧にする組織風土

少しだけ尖った言葉にするなら、相違や相対はプラスの力に変わることを知っている組織互いに 「 出るクイ 」 になることを歓迎し糧にする組織といっても良いでしょう。

変化の激しい時代、周囲と異なるモノの見方や感じ取る違和感は、時に大きなヒントになることが多いもの。

多様性に両手を広げて受け止めようとする風土が、そういったものをしっかり成長や発展の糧にするのです。

こういった組織は前回ご紹介の 「 タテ・ヨコ・ナナメ 」 のコミュニケーションも活発で、「 現場の些細な意見に耳を傾け糧にする、情報を統合し糧にする 」 点では、前回に通じるところもあります。

相違や相対を糧にし、異なるモノの見方や感じ方に両手を広げて力を高める組織。

それは、個々の組織発展へのパッションを真っ直ぐエネルギーに変え、誰もが積極的な姿勢で仕事に向かえる組織でもあります。

◊ ◊ ◊

一方、「 人が育ちにくい組織 」 に共通するのが、その自覚の有無にかかわらず、多様性を受け入れられずに疎んじてしまう組織風土。

尖った言葉にするなら、

「 言われたことだけをやっていれば良いんだ! 」

「 余計な動きをするな! 」

と、様々なアイデアや感じる違和感を牽制し、結果、調和という姿をした妥協や我慢が蔓延している組織です。

相対するモノの見方や異なる意見は受け入れられず、全体最適という名の抑圧が妥協や我慢を拡散させている。

優秀な人材も、組織の歯車として扱われ続けると、やがて指示待ちの姿勢、受け身な態度が定着してしまいます。

もっと優秀な人材は、組織の状態を客観的に捉え、別のフィールドへ転職してしまうこともあるでしょう。

こういった状態の組織でインタビューを行うと、ひとり一人が

「 それは自分のすることではない 」

と受け取っている領域がとても広く、誰も手を付けない課題が多いことに驚かされます。

アンオフィシャルな場でのコミュニケーションは活発ですが、オフィシャルな場では慎重、組織の発展や人の成長へのパッションが空回りしているのも、こういった組織の特徴です。

◊ ◊ ◊

制度や仕掛けは、その制度や仕掛けに相応しいオペレーションやプロセスがあって、初めて健全に動き出します。

どんなに良い制度や仕組みを創りだしても、現場の風土がそれに背反していては、なかなか活かされるものになりません。

自ら主体的に成長に向かう人材、新たな課題や問題に積極的に挑戦する人材を求めながら、日々それを押さえつけてはいないか。

現場のやりとりが、多様性を歓迎し糧にするものなのか、疎んじて牽制するものなのか。

主体性を持った人材を育もうとする上で、ここは重要な分岐点になります。

◊ ◊ ◊

補足しておきますが、「 多様性を受け入れること 」 と 「 暴走する人材を放置すること 」 は全く異なるものです。

新入社員層であれば、その主体性は、 報連相 」 や 「 健全なコミュニケーション 」 とのバランスで、糧にも、暴走にもなるもの。

多様性を糧にする組織は報連相やコミュニケーションがとても活発で、決して放置はしていません。

放置はしないけれど、上げ膳据え膳、至れり尽くせりではない。

至れり尽くせりではないけれど、その関わりは深く強い。

この辺りのバランスが、「 活かされる組織 」 で伸び伸びと人が育っているポイントです。

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