
経営やマネジメントを担う皆様はじめ、採用や人事を担う皆様を応援するヒント集。
アクトナビの藤井です。毎々ご愛読頂き誠にありがとうございます。
ご案内している 「 変化への対応 」 。
今回は、時代の変化がもたらした恩恵の一つ……インターネットの活用という形について、少しだけ触れておきましょう。
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今年の大卒の新入社員の皆さんは、多くの方々が平成4年から平成5年生まれです。
物心がつく頃にはインターネットをごく当たり前に利用していて、昭和の感覚に置き換えるなら 「 電気・ガス・水道・電話・インターネット 」 ……という感覚なんだそうです。
電車内や街中も同様ですが、研修の休息時間にもスマートホンやタブレットを取り出す姿を良く見かけます。
蛇口から溢れる水が当たり前のように、端末から溢れる情報は当たり前の日常。
メールやSNSはもとより、音楽や映像の配信サイト、様々な情報のWEBサイト検索を、興味や疑問やニーズ解決の身近なツールとして、ごく当たり前に利用しています。
ここでお伝えしたいのが、これだけ親しまれているインターネット環境を、皆様の組織では 「 電気・ガス・水道・電話 」 のように活用しているか……という視点です。
現在、ほとんどの企業様は自社ホームページを持っていますが、ブログやSNS等も含め、採用や定着の課題を解決するチャネル……という点では如何でしょう?
例えばですが、自社や自店舗のある 「 市区町村名 」 と 「 アルバイト 」 や 「 パート 」 のキーワードを打ち込んでみる……。
「 アルバイト・パート募集 」 のキーワードと共に、「 募集職種名 」 や 「 業界名 」 などを打ち込んでみる……。
せっかく予算を掛けた自社の採用ホームページは、求職者の皆さんにどのくらい届いているでしょうか?
実際に様々な 「 市区町村名 」 と 「 アルバイト・パート 」 で検索してみると、流石に多くの地域では大手求人サイトやハローワークサイトが上位表示されています。
けれど、検索する地域によって、いち早くインターネット環境を活用している企業や店舗の採用ページがしっかり上位表示されていて、それは大手企業だけとも限りません。
こちらの取り組みのコツはまた別の項でご案内致しますが、ここで一つ押さえておくなら、制作したウェブサイトをしっかり届けるためには 「 運営履歴 」 も大切な要素になる……というポイントです。
採用ホームページを充実させたからと、明日から効果が急に高まるわけではない。
「 いつかはやろうと思っているんだけれど…… 」
というお声も多く頂きますが、これまでのご案内も含めて、その 「 いつかはやろう…… 」 のベストタイミングは、まさに 「 今でしょ! 」 というわけです。
自社や自店舗の採用ホームページを、ただ作成するだけでなく、電気・ガス・水道・電話のように使いこなす。
時代の変化に対応するために、せっかく水道管を通したのに、相変わらず遠くまで井戸水を汲みに行っているようなことになっていないか、見つめ直すことが大切です。
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最近では、「 人事ブログ 」 や 「 SNS 」 の活用により、採用の課題を解決している企業や店舗も増えてきました。
広く情報を発信でき、保存性があり、使い方によっては対話機能やコミュニティ機能も活用できるコンテンツは、直接的な採用募集だけでなく、「 応募者潜在層 」 を形成し厚くする効果にも繋がっています。
応募者潜在層が厚くなると、極端な例ではツイッターで呟いただけで応募者が殺到する……という事例に出会うこともあって、こうなるともう採用というより合流という感覚です。
もちろん、採用目標が大きい場面では、これらを求人媒体と戦略的に連動させましょう。
求人媒体のポテンシャルが120%発揮され、応募効果は更に高まっていくはずです。
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経営やマネジメントを担う皆様をはじめ、採用や人事を担う皆様を応援するヒント集。
アクトナビの藤井です。毎々ご愛読頂き誠にありがとうございます。
前回の 「 縁を大切にする 」 人材戦略に続いて、今回は 「 縁を広げる 」 人材戦略のご案内です。
労働力人口が減少を続けている時代。
積極的に 「 縁を広げる 」 人材戦略……も、変化への適応の一つの形です。
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皆様の組織では、既存のアルバイト・パートさんからの 「 紹介 」 による採用チャネル……は活用されているでしょうか?
以前募集採用のヒントの項でも少しだけ触れましたが、自社や自店舗で働き、自社や自店舗を良く理解している既存のスタッフさんからの紹介は、強力な採用チャネルになります。
その仕事の適正、組織風土との相性なども含め、各スタッフさんとしても 「 自信のある 」 「 相応しい方を 」 紹介するケースがほとんどで、まさに 「 求める人物像 」 という人材と出会えることも多いものです。
前回のご案内に並べるなら、こちらは最近、リファラルリクルーティングという名称で、
ソーシャルリクルーティング…フェイスブック、ツイッター等SNSを活用した採用手法
リタリーリクルーティング…自社の退職者、離職者とのネットワークを活用した採用手法
ダイレクトリクルーティング…経営層や採用担当者が自ら人材を探しアプローチする手法
などと共に、新たな採用活動チャネルとして急速に広がってきている手法。
このチャネルに一層の本気で取り組むなら、以前触れた 「 ワガコト採用とヒトゴト採用 」 の視界を取り入れることもお勧めで、
「 理念やビジョン 」 「 採用計画と将来構想 」 「 求める人物像 」 「 強みや魅力 」
等の共有により相乗効果が生まれ、
「 まるで、採用担当者が何倍にも増えたような…… 」
というお声を戴いたこともありました。
ただし、紹介の活用は一年を通し恒常化すると徐々に効果が薄れる特性があります。
大きな成果に繋げるコツは、漫然とした恒常化でなく、年に数回集中するイベント化。
紹介の活用で求人費を大幅に削減した企業様には、「 春の紹介キャンペーン 」 と称して、自社のビジョンと連動させた告知ポスターを制作したり、全体ミーティングの中で開催告知や表彰式を行ったりして頂きました。
学生層や主婦層を採用している組織なら、今はまさにベストタイミングの一つ。
学生は新学期に伴う新しい友人や後輩、主婦は子供の入園や入学に伴う新しいママ友など、新しい友人や知人が増える機会に満ちています。
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紹介チャネルの活用も、前回のご案内と同様で、紹介したくなる土壌が醸成されているかが大切なポイントになります。
人と組織と仕事の関係性が良好で、ひとり一人が充実し、やりがいや喜びを感じているからこそ大切な人に紹介したくなる。
人と組織と仕事の関係が良好な組織は、採用や定着の課題が減り、求人費も大幅に減る……というわけです。
効果的な採用をどうする……求人費の増加をどうする……と考えると解決されない課題が、互いの良好な関係性や自社で働く充実感、仕事のやりがいや喜びをどうする……と考えると解決される時代。
「 神は細部に宿る 」 と言いますが、変化に悩まされる組織と、変化の恩恵を享受する組織の違いは、ほんの小さな考え方の違いだけなのかもしれません。
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「 シェーン……カムバーック! 」
遠く聳える山々にこだまするジョイ少年の声。
ゆっくりと馬に揺られ、少しずつ遠ざかるシェーンの後ろ姿……。
西部劇の不朽の名作 「 シェーン 」 のラストシーンですが、あの印象的なメロディと共に、懐かしく思い出される皆様もいらっしゃるかもしれません。
いきなりの 「 シェーン 」 に、シェー……ん?と驚かれた皆様、大変失礼致しました。
今回は 「 変化への適応 」 のまた別の側面からのキーワード、「 カムバック 」 についてのご案内です。
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皆様の組織では、退職したアルバイト・パートさんが 「 カムバック 」 し易い風土や制度は整っているでしょうか?
以前募集採用のヒントの項でも少しだけ触れましたが、終身雇用の時代には馴染まなかった 「 離職者の復職 」 も、時代の変化と共に重要な人材戦略の一つになってきました。
最近は、リタリーリクルーティングという名称で、
ソーシャルリクルーティング…フェイスブック、ツィッター等SNSを活用した採用手法
リファラルリクルーティング…従業員、取引先等から友人・知人の紹介を募る採用手法
ダイレクトリクルーティング…経営層や採用担当者が自ら人材を探しアプローチする手法
などと共に、新たな採用活動手法として急速に広がってきてもいます。
「 復職制度 」 「 再雇用制度 」 「 カムバック制度 」 「 ジョブリターン制度 」 等など、各企業で様々な名称で活用されていますが、共通するのは
「 既に自社の理解・共感度が高く 」
「 即戦力若しくはそれ以上に成長した人材 」
を容易に採用できる…という点。
アルバイト・パート層の多い組織では、離職時の 「 ジョブリターン資格カード 」 の発行や 「 フレキシブルジョブ資格証 」 の授与式等、資格要素やイベント性を交えた工夫も増え、
「 カムバック制度の導入で、求人費が大幅に削減できた 」
「 ジョブリターン制度の活用で、人材に恵まれ、充実した繁忙期に繋がった 」
など様々な効果や成果を生み出しています。
もちろん、正社員層への活用も拡大。
こちらは緻密に設計・運用されている大企業の事例だけでなく、人と組織のいっそう親密な関係性に支えられた、中小企業の成功事例にも数多く出会います。
労働力人口が減少に転じ、ゆっくりと進行している時代。
「 結ばれた縁を大切にする 」 人材戦略……も、変化への対応の一つの形です。
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他の人事制度や仕組みと同様、こちらも制度の内容や運用ルールばかりが注目されますが、活用にあたり最も重要なのは、「 カムバックし易い風土 」 が醸成されているか……という点です。
「 リタリーリクルーティング 」「 カムバック制度 」 が充分に活用されている組織の共通点は、制度内容や運用ではなく、「 人と組織と仕事の関係性がすこぶる良好 」で、仕組みが 「 組織風土とフィットする 」 ところにあります。
自社や自組織で働く充実度。
その仕事のやりがいや喜び。
共に働く仲間、チームとしての良好な関係性……。
「 カムバック 」 の制度や仕組みが充分に活用されるためには、まずこういった土壌の醸成が大前提になるわけです。
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この意味で、「 カムバック 」 の対極に位置しているのが 「 代わりはいくらでもいる 」 といった価値観です。
「 活性スパイラルに舵を切る 」 でも触れましたが、5人採用しても6人辞めてしまった……なかなか定着してくれない……などのお悩みの裏側に、所詮アルバイト・パートだから……いつでも入れ替えれば良い……等の価値観の影はないか、照らしてみることも大切です。
先日、採用や人事を担う方々と、
「 各組織の人材戦略の活性度は、カムバック制度がイメージできるかで測定できる 」
という話題で大いに盛り上がる機会を頂きました。
「 カムバック 」 がイメージできる組織は、
「 働いた経験が、充実した時間として思い出されている組織 」
「 共に汗を流した上司や同僚を、笑顔と共に思い浮かべられる組織 」
でもあります。
変化する時代の中、組織活性度や人材戦略の活性度を測る視界……の一つにもなりつつある「 リタリーリクルーティング 」や「 カムバック制度 」 。
労働力人口の減少が進む現在。
代わりはいくらでもいる……という時代は、ラストシーンのシェーンのように、ゆっくりと遠ざかっていくようです。
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