アクトビジョン 人と組織の未来のために

7月, 2013年

2013-07-25

『採用力』の4つめの要素②

『 今、打ち合わせ中だから、もう少ししたらまた電話くれるかい!!  』

前回 ご紹介の、老舗和食店の大将。

応募者からの電話に出ると、そう言って電話を切ってしまいました。

表情や物腰はいつも柔らかく上品なのですが、電話越しに聞こえる声や口調からは、応募者にぞんざいな印象さえ与えそうです。

今、電話をしてくれた応募者は、もう一度電話をしてきてくれるでしょうか……。

しかも応募者がたくさんの情報の中から大将のお店を選び、おそらく 「 意を決して 」 電話をしてくれたにも関わらず、お礼を言うでもなく、面接日程を合わせるでもなく、連絡先も名前も聞いていません。

特にアルバイト・パートの場合は、応募者は複数の求人先に広く応募していることも多く、受付の初期応対によって、他の求人先に決まってしまうことも考えられます。

席に戻ってきた大将に、私は言いました。

「 大将……。面接率を上げる方法がわかりました……( 涙 ) 」

皆様は、もうお気づきでしょうか。

この出来事が示唆する、『 採用力 』 の4つめの要素。

それは 「 Recruiting Activities – 採用活動力 」 です。

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こちらも詳しくは上図に整理致しましたが、「 採用活動力 」 は他の3つの要素と比較し、最も手をつけやすく、相対的に予算も時間も少なく、さまざまな工夫で即効果が期待できる要素です。

採用活動の総エネルギー量を決める 採用活動への投下資源

実際に予算を掛け、媒体を選定し、広報し、応募者を集める 採用広報力

理念やビジョンから連なる経営階層と連鎖し、募集採用活動を真の組織活性やわくわくする未来へと繋げる 採用活動設計力

時代の変化の中で急速に役割が増してきた 採用活動共有力

そして、実際にそれらを遂行する 採用活動実務力 採用担当者力

それぞれの詳しい解説は、次回以降、順を追って掘り下げていきますが、ごく身近な例では今回ご紹介のエピソードのように、応募者への初期応対ひとつで、面接率が左右されることもあるわけです。

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2013-07-20

『採用力』の4つめの要素①

募集・採用の成功の法則。

その3つめ 『 採用力を高める 』 ということ。

前回まで、その 『 採用力 』 は、

『 採用力 』 = B × M × W × R

と、大きく分けて4つの要素から成り立っていて、

B …… Business & Company – 事業や企業自体が持っている力

M …… Mission & Culture – 仕事内容や仕事環境

W …… Working  Conditions – 待遇・処遇・制度

だと、ご案内させて戴きました。

今回から最も手を付けやすい 『 4つめの要素 』 に移っていきましょう。

 
まずは、この4つめの要素に関係する、典型的な 「 ある出来事 」 のご紹介です。

ずいぶん昔のこと。

まだ私が新人営業マンだった時代の話です。

ようやく仕事を覚え、一人前になりかけの私を、そのころ大変可愛がって下さった老舗和食店の大将がいらっしゃいました。

出会いの言葉は

『 求人広告?うちは間に合ってるよ! 』

口調は厳しいけれど、表情と物腰はいつも柔らかく上品な大将。

厳しい口調とはうらはらに、私が顔を出すたび、様々なことを教えて下さいました。

雑誌やテレビでもよく紹介されているお店です。

憧れも後押しし、新人の私はお会いするのが楽しくて、足しげく通ったものです。

 
そして一年近くは通ったでしょうか。

それまでは “ 口コミ ” や “ 紹介 ” で十分採用できていて、広告や求人メディアでは全く募集したことがない……という大将から、初めて仕事を頂きました。

喜びと責任感に溢れながら、渾身の原稿を制作し、掲載。

発売初日に顔を出すと、『 応募の電話、沢山入っているよ!  』 と笑顔の大将。

二日目に顔を出すと、『 広告ってやっぱり凄いんだね!!  』 とお褒めの言葉。

ああ、憧れの大将のお役に立てた!

そう浮かれていた私の想いは、しかし、週末になる頃には一変することになります……。

『 藤井さん……。せっかく募集広告を出したけど、なんだか全く面接できないよ 』

週末の大将は、半ば呆れ顔にも似た、悲しげな表情を浮かべていました。

地域でも有名な老舗店。

これまでご案内してきた採用力の3つの要素、 は十分すぎるほどです。

お店は雑誌やテレビなどで紹介され、ブランドと言って良いほどの知名度がありましたし、給与や処遇も、まさしく応募者が殺到するだろうという好条件。

私は、「 そんなはずは…… 」 と思い巡らせながら、大将に少し時間を頂きます。

応募の連絡は沢山入っていましたが……と、詳しくお話を伺うと、

『 応募は確かに沢山ある。けれど、面接は全くできない 』

との旨。

応募の電話が初日から30件以上はあったにもかかわらず、掲載から一週間近く経って、まだ一人も面接できていないと仰るのです。

 
たくさんの応募があるにもかかわらず、面接者が少なくなってしまう。

私達は、こういった状況の時、

面接者数 ÷ 応募者数 = 面接率

という考え方で 『 面接率が低い 』 と捉え、その分析と解決策を考察します。

あれこれお話をお伺いし打ち合わせを続けていると、そこに、ちょうど応募者からの電話が入りました。

そして……その 『 出来事 』 は起こりました……。

この 『 出来事 』 の中にこそ、まさしく、採用力の4つめの要素に大きく関係する一例があったのですが、皆様は、何が起こった……と考えるでしょう?

この 『 出来事 』 の続きと、そこから広がる、『 採用力の4つめの要素 』 について、次回からは、いよいよ詳しくご案内を進めていきます。

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2013-07-16

「手軽さ」と「手間暇」 真の組織活性には……

アクトナビの藤井です。

人の成長と組織の活性化。
共に働くかけがえのない仲間、大切な組織をもっと元気に、もっと発展させたい。
そんな熱い想いの皆様を、心から応援する連載コラム。

毎々ご愛読頂きありがとうございます。

 
ご案内してきた、採用力を高めるための 『 3つめの要素 』 の活用。

なるほど。確かに、様々な工夫で 「 採用力 」 が向上するのは解った。
いや~、でも、それらを導入する手間暇を考えるとね~。

そう考え、手軽さと即効性への期待から、それでも真っ先に給与UPをしたくなってしまう……。

そんなお声も頂きます。

近隣の給与相場と比較し、あまりにも低すぎるケースは別ですが、既に相場前後の設定になっているお客様の場合、私は、具体的にこんな話をすることがあります。

分かり易く、アルバイト・パートさんの 『 時給 』 を一例に致しましょう。

例えば、これまで 『 時給850円 』 で募集していたお店が、採用し易さを期待して 『 時給900円 』 で募集することにした……とします。

当然、先輩アルバイトさんの時給も一緒に上げることになるわけですが、仮に15名のスタッフが1日8時間働いていたとすると、

50円( 時給UP分 ) ×15名 × 8時間 = 6000円

1日あたり、6000円の人件費UPとなります。

なんだ、たった6000円……と思った店長様。
この後が大切です。

仮に、月に平均して30日稼動するとして、6000円 × 30日。

1ヵ月あたり、18万円の計算です。

そして、この18万円×12ヶ月で、年間216万円。

これは、もし向こう5年くらいの経営計画を立てるとしたら、

216万円 × 5年

で、なんと1080万円……。

手軽さと即効性を期待した時給UPは、その裏側で、5年間で1080万円以上の更なる収益増を図ることが、必要条件になってくるのです。

これを、売上に換算すると……。

更には、2店舗・3店舗出店しているお客様ですと、この2倍、3倍。
ここまでくると、お店の改装や、事業をより一層発展させる資金としても考えられる額。

その上で、最も見落としがちなのが、もし、その時給UPでも採用活動が上手くいかない場合、

『 次の打ち手への予算は、もうほとんど残っていない 』

……という現実です。

真っ先に時給UPに着手することで、次の手が打ちにくくなってしまう……。

“ 採用力向上の打ち手 ” としての “ 給与UP ” は、実は、「 最後の切り札 」 「 最後の砦 」でもあったわけです。

以前のコラム で 『 そのことと、“ 人を採用する力 ” は、繋がっている 』 とご紹介しましたが、まさに様々な繋がりの中、何をどう意思決定し、どの順序で着手していくのか……それが、店長様や組織を担う方の、腕の見せ所です。

50円の時給UPが、5年間で1000万円以上のコスト増につながる。
売上に換算すると、その何倍もの額になる……。

そう考えると、多少手間暇をかけてでも 『 その何分の1、何十分の1の予算で同じ効果が期待できること 』 から、まず工夫し、試す価値はあるというものです。

工夫し、着手したことは、将来に渡って末永く、

「 企業の内力 」「 組織活性の大きな財産 」として蓄積されていく……

のですから。

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