アクトビジョン 人と組織の未来のために

9月, 2012年

2012-09-25

育て上手な人③自己選択感・自己決定感

アクトナビの藤井です。毎々ご愛読頂きありがとうございます。

ご案内している人材育成のコツ。

育て上手な人の3つのポイント

今回は、自己選択感・自己決定感についてご案内致しましょう。

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「 で、○○君はどう思う? 」
「 で、○○さんはどうしたい? 」
「 だったら、今からどうする? 」

今や昔懐かしいリクルートグループ時代。
この言葉は、何度となく社内で交わされていました……。

今はすっかり成熟した会社ですが、あの頃は変わったマネージャーも多く、例えば入社したばかりの新入社員へ向け、こんな話から人材育成を始める上司もいました。

「 僕もそうだけど、一方的にあれやれこれやれって言われるのって嫌じゃない? 」
「 皆に色々教えるその前に、その質と量とを一人ひとり自分で選んでほしいんだ 」

そんな前置きの後、3つのコースを提示。
まだ学生感覚が残る新入社員が分かり易いよう、以下のような言い方だったでしょうか。

① 東大・京大進学コース
② とりあえず進学コース
③ なんとか落第しないコース

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そうして、それぞれのコースで得られる成長の質と量の違い、その成長を得るために覚悟しなければならないこと、逆にそれぞれのコースで得られる未来-いろいろ話をした後で、

「 で、〇〇さんはどうしたい? 」

新人ながら、これには脱帽です。

当時、問いかけられた新人たちは、もちろんほぼ全員が①のコースを選択。
自ら選んだのですから、その後の厳しい指導にも自主的、積極的に取り組んでいました。

この方は、その後当時の最年少部長となり、更に自ら起業。今や銀座に本社をかまえる企業の代表ですが、未だ昭和世代真っ盛りの当時から、自己選択感・自己決定感の重要性を理解していたのかもしれません。

「 人は自分で選んだこと、自分で決めたことは自ら主体性をもって積極的に取り組む 」

逆に、納得しないままやらされている ( と感じながらやる ) こと、押し付けられたことは、
エネルギーが減衰し、効率悪くなったり、創意工夫が伴わなかったり、ミスに繋がったり、途中で投げ出したりしてしまいがちです。

人材育成の大切な局面それぞれに 「 自己選択感・自己決定感 」 を伴わせる。

それが平成生まれの新人を育てる3つめのポイントです。

具体的には、

□( 前述の例のように ) まず大前提を自分で決める機会を創る

( ある程度基礎が身についたら ) 「○○さんはどう思う?」

( 更に力をつけてきたら ) 「 ○○さんはどうしたい? 」

□選択や自己決定のあとは、少し見守りちょっと待つ
 ( 変化がすぐに表れないからと、ここで急ぎ失敗しているケースが多い )

□変化が表れてきたら、「 やってるな! 」「 すごいな‼ 」
 ( やり始めた時、少しの変化を見逃さず、丁寧に大切に育む )

□できていないことではなく、できていることを主語にして会話をする
 届かなかった部分ではなく、成長した部分を主語にして会話をする
 「 ○○できたけど、△△はできてないじゃないか! 」『 …… 』×
 「 ○○できてきたな!さすが‼ 」『 はい、あと△△できてないので頑張ります 』〇

□見ているよ、認めているよ、やり始めたことに僕は気づいているよ

「 なんとじれったい…… 」
「 就職活動の末、自分で決めて入社したんだから、仕事するのは当たり前…… 」

またまた昭和世代真っ盛りの方からは、こんなお声を頂くこともありますが、今や新入社員の3人に1人は3年以内に辞める時代です。

離職の多い組織は、ひとり一人の成長段階を丁寧に見守る視界が狭く、アクセルを踏む時、緩めておく時のタイミングが微妙にずれてしまっている……という特徴があります。
( エンジンが悲鳴をあげているのに、アクセルを踏みっぱなし……はないですか? )

人材育成でギアを変える局面では、自己選択感・自己決定感を尊重する。
そうして自己決定・自己選択をした後も、少しだけ見守り待ってみる

力強くアクセルを踏み込むのは、自ら決めたことに自ら向い、変化や成長を本人が自覚し、自己効力感を実感してから……が、平成流です。

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2012-09-20

育て上手な人②有意味感・必要感

ご案内している人材育成のコツ。

育て上手な人の3つのポイント。

今回は、有意味感・必要感についてご案内致しましょう。

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「 意味わかんな~い 」

「 それって必要? 」

「 意味ないじゃ~ん 」

電車の中。街角の交差点。コーヒーショップ。学校の学食……。
学生や若者たちの会話の中で、今日も上記のようなやりとりが聞こえてきます。

そんな彼ら彼女らも数年すると社会人。

今の若者たちは、何かがそこにあったり、何かを行ったりする場面で、その意味や必要感がとても重要な要素になっているのです。

「 有意味感・必要感 」 とは、その存在や行動、決定や指示・命令、時には仕事そのものの意味や意義、それをする理由・価値を理解し、納得し、時に共感しながら自発的に取り組む感覚のことです。

その仕事の意味や価値。我が部署が存在している理由や意義。
電話応対や名刺交換場面での礼儀や敬語やマナー等の理由や意義。

変化する時代。育て上手な人は、仕事を教える場面や仕事を依頼する場面等で、その意味や意義、必要性の背景を必ず一緒に添えています。

そうして、これらに対し「 理解→納得→共感→自発 」のステップを渡りきる。

昭和世代真っ盛りの方の中には、なんと手間暇がとお感じの方もいらっしゃるようですが、それが平成生まれの新人を育てる2つめのポイントです。

具体的には、

□コピーを依頼する場面で……

「 この資料、10部コピーして綴じておいて 」
だけでなく
○○社という大切なお客様への、プレゼンテーション資料として使うので
と目的や理由を添えてみる。

更に関係性の土台ができている方なら、コピーの後、

ありがとう。ばっちりだ。朝からバタバタしてたので、助かった。
これで◎◎さんも、○○社のプレゼンに関わった一人だね

と、小栗旬さんのように爽やかに添えても良いかもしれません。

□整理整頓を伝える場面で……

「 あちこちごちゃごちゃじゃないか!整理しなさい‼ 」
ではなく、
整理とは、必要なものと必要でないものを分け、必要でないものを捨てること
整頓とは、必要なものをすぐに誰でも取り出せるように、使いやすい置き場所を決めて、常に定物定置しておくこと
と整理整頓の本質を伝えてみる。

更に時間があるなら、理解→納得→共感→自発のステップへ、

「 モノを探す時間は、何の生産も生み出さず付加価値のない時間 」

「 整理整頓することで、モノを探す時間がゼロになる 」

「 だから、自分が整理整頓してないことで、一緒に働く人たちにモノを探させてしまうと、大切な人たちの時間や生産性を奪ってしまうことになるんだよ 」

「 その意味で共有スペースの整理整頓は、周りの人の大切な時間を尊重することなんだ 」

「 同じ意味で自分の周りの整理整頓は、自分自身の大切な時間や生産性を尊ぶことだよ 」

と、金八先生のように熱くその理由や意味・意義も添えてみても良いかもしれません。

次回は、「 自己選択感・自己決定感 」についてご案内致しましょう。

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2012-09-14

育て上手な人①自己効力感・有能感

ご案内している人材育成のコツ。

育て上手な人の3つのポイント。

今回は、自己効力感・有能感についてご案内致しましょう。

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自己効力感・有能感とは、「 自分はできる 」「 自分にできそう 」という自分に対する自信のこと。

講演や研修の場では、かっこよく、self-efficacyと付け加えたりもしています。

最近、新入社員の3人に1人は3年以内に辞める……と言われますが、ここでよく話題になるのがこの自己効力感や有能感。

「 最近の新入社員は折れやすくて…… 」
「 最初はできなくて当たり前なのに、挫けやすくて…… 」
「 少しの失敗で辞めてしまった。叱っただけなのに辞めてしまった…… 」

という背景の理由の筆頭に、この自己効力感・有能感のもろさが挙げられています。

けれど、自己効力感・有能感は生まれ持った素質というわけではなく、経験や環境によって左右され形成されていくもの。

育て上手な人は、この自己効力感・有能感を大切に育みながら、人材育成に取り組んでいるわけです。

具体的には、

□褒めてほしい時に、褒める
□達成感、成長感、充実感を感じているときに共に喜ぶ
□ヒトを怒らず、コトを叱る
□おまえはだめだ…ではなく、この行動がだめだ
□君はかけがえのない存在…だから…私は悲しい

等、褒めてほしい時にしっかり褒める、達成感を感じている時一緒に喜ぶ、叱る場面では、新入社員という人そのものを主語に怒るのではなく、上司である自分の感情等を主語にし、その行動やプロセスを叱る。

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育て上手な人からは、いつも

「 あなたは一人の人間としてかけがえのない存在 」
「 あなたは共に仕事をするチームの一員 」

という揺るぎないスタンスが醸し出ています。
だから、育て上手な人の部署は人が辞めない。

更に人材育成の最も基本となる関わり……褒める・叱るが、まさに人を育てる関わり方になっている。
だから、人が育つ。

実際の育成場面では、他の2つのポイントと比較すると、本当にほんの少しの違いですが、これが平成生まれの新人を育てる最初のポイントです。

次回は、「 有意味感・必要感 」 についてご案内致しましょう。

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