アクトビジョン 人と組織の未来のために

5月, 2012年

2012-05-30

誰が育てる?どう育てる?⑨ PDCAと5つのステップ

ご案内している誰が育てる?どう育てる?

 
「 どう育てる 」 について 「 基本となる5つのステップ 」「 味方になる3つのスキル 」 をご案内してきましたが、今回は以前ご紹介した 「 OJTとG-PDCA 」 との連動 について触れておきましょう。

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これまでのご案内は、以前ご紹介した 「 OJTとG-PDCA 」 と連動させて、フィードバックしながら運用することが大切です。

これまでのご案内が活用されるのは、「 OJT 」 の中の一場面であることが多いでしょう。

5つのステップを活用しながら、「 OJTとG-PDCA 」 という大きな育成チャネルを確認し、時に課題となる点を改善する、育成計画自体の調整や見直しを提案する……という視界も、育成を担う方の大切な役割です。
 
以前ご案内した、「 仕組みや制度 」「 オペレーション 」
 
これを 「 車 」「 ドライバー 」 の例えに立ち戻るなら、車の状態を点検し、ガソリンを補給したり、オイル交換をしたり……は、大切なドライバーの務めです。

タイヤ交換も必要になるでしょう。バッテリーはどうでしょうか。

そうして車の状態が現状と合わなければ、時にはチューンアップの必要性やニーズを捉え、メカニックに提案する。

ここでのメカニックは、人事 ( 若しくは経営層 ) ということになるでしょう。

車の状態が現状と合っていないのに、現場が無理をして人材育成が滞る……というケースはあちこちの組織で見られます。

ガソリンが少なくなってきたら補給する。

古くなったオイルは交換する。

そして、現状のニーズを捉えた人材育成にするために、時にチューニングを提案してみる。

なぜか見落とされがちなのですが、「 オペレーション 」 と 「 仕組みや制度 」 は、相互でフィードバックし合うことでこそ、より良い人材育成に繋がります。

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2012-05-25

誰が育てる?どう育てる?⑧ 質問・傾聴・感知

ご案内している誰が育てる?どう育てる?

前回ご案内した5つのステップには、ぜひ組み合わせたい 「 強い味方 」 があります。

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それが、

① 質問
② 傾聴
③ 感知

という3つのスキル。

育成の上手い方は、5つのステップの中、要所々々質問を交え、メンバーの応えを傾聴し、表情や動作なども含めてその理解度や伝わり具合を感知しながら進めます。

ひとつずつ簡単に掘り下げておきましょう。

◊ ◊ ◊

質問については、ここでは基本となる3つの質問をご紹介しておきましょう。

① メンバーの現状を把握するための質問

「 新入社員研修では、〇〇についてどんなふうに教わった? 」

「 〇〇は、どのくらい知っている? 」

② メンバーの考え方や想いを知る質問

「 〇〇についてはどう思う? 」

「 〇〇と◇◇だと、どっちが良い? 」

③ 確認のための質問

「 〇〇で大切なポイントは、どこだったかな? 」

「 〇〇については、解ってくれたかな? 」

これらの質問は組み合わせて使いこなすことで効果を高めます

質問を組み合わせ、習得度や進捗度合いをはかったり、課題やその原因を明らかにしたり、そして何よりメンバー自身に 「 自ら考える 」 ことを促したりするわけです。

ただし、メンバーの習得度合いによって、有効な質問と空回りしてしまう質問があることも押さえておきたいところです。

ここも後程詳しくご案内しますが、まだスキルも知識もなく、何もわからない新人に、

「 どうしたら良いと思う? 」 「 どうしたい? 」

という質問ばかりをしてもなかなか上手くいきません。

一方、力をつけ、自信をつけてきた段階で、新入社員にするような初歩的な質問を繰り返すのも逆に上手くいかないものです。

質問はメンバーの成長に合わせギヤチェンジする……ここは、こちらの項をご参照頂ければ幸いです。

◊ ◊ ◊

続いて傾聴についてです。

まず前回の言葉に続き、こちらの言葉をご紹介しておきましょう。

『 話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず 』

再び、山本五十六元帥の言葉です。

人材育成や指導……と聞くと、一方的に知識やスキルを教えるイメージを思い浮かべる方もいらっしゃいますが、上手な育成担当者ほど 「 話し合い 」 ……つまり対話型の指導育成になっています。

質問と傾聴を繰り返しながら、教える……というより 「 気づき 」「 考えさせる 」 ことを通して、育成する5つの領域を高めているのです。

かのソクラテスしかり。かの吉田松陰しかり。

古くから、人材育成の達人たちは皆、一方的に伝えるのではなく 「 対話型 」 です。

ここで大切になるのが、傾聴力

傾聴力では、単にメンバーの言葉に誠実に耳を傾けるだけではなく、受け止めているというサインを示しながら聴くことが大切です。

相槌や頷き、表情や身振り手振りなどで、メンバーにわかりやすく示しながら聴く。

『 聞く 』 のではなく 『 聴く 』 という感覚が、メンバーに宿る可能性や本音を引き出し、5つのステップをより活きたものにしていきます。

◊ ◊ ◊

最後は、感知についてです。

感知力とは、文字通り感じ知る力のこと。

質問や傾聴は、この感知力を伴ってはじめて冥利を発揮します。

メンバーが 「 言っていること 」 と 「 言わんとしていること 」 の微妙な違い。

今、目の前のメンバーが本当に必要としていること

ここが鈍感だと、5つのステップや質問や傾聴も全て表面的なものになってしまいます。

メンバーの表情や視線。しゃべり方や声の変化。手や足先の微妙な動作。

人材育成の上手い方々は、メンバーが話す言葉だけでなく、メンバーの小さな変化から感知したものを活かしながら指導・育成を進めます。

 
生まれたばかりの赤ちゃんは、言葉を話すどころかその意志表示もままなりません。

けれどお腹を痛めたお母さんは、赤ちゃんの微妙な仕草だけで何が必要かを感知します。

育成メンバーは決して赤ちゃんではありませんが、深い愛情を注ぎ込む……という点では、共通です。

育成を担うに当たり、もう一度お母さんから学ぶこと……も、たくさんあると言えますね。

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2012-05-21

誰が育てる?どう育てる?⑦ 指導・育成5つのステップ

ご案内している誰が育てる?どう育てる?

「 関係性の土台」「 モチベーション 」 の階層の上に 「 意義や目的 」 の階層を築いたら、いよいよ具体的な指導・育成の階層です。

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『 やってみせ、言ってきかせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ 』

「 どう育てるか 」 を語る場面で、語り継がれているのが山本五十六元帥の言葉。

こちらの言葉にあるように、育成担当者が実際に教える場面では、

① 実演-実際にやってみせる。お手本を見せる。

② 説明-ポイントとなる点を説明する。解説する。

③ 確認-伝わり度合い、理解度を確認する。

④ 実習-実際にさせてみる。経験させる。

⑤ 評価-できている点や良い点を褒め、改善が必要な点を再び実演、説明、解説する。
 
という基本的な 「 5つのステップ 」 を踏まえることが大切です。

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映画やドラマ……特に職人さんの世界が描かれる物語では、①の実演のステップだけで

「 仕事は見て覚えろ! 」 「 技は見て盗め! 」

……というシーンがありますが、あれは映画やドラマの演出がほとんど。

組織で人材育成を担う方は、「 見て覚えろ! 」 ではなく、この5つのステップを踏まえた教え方が求められるわけです。

◊ ◊ ◊

後程ご案内しますが、この5つのステップを踏まえるためには、育成を担う方自身が、

●実際にやってみせられる知識やスキル

●ポイントを説明でき、できている点や良い点、改善が必要な点を見極められる経験

●改善が必要な点に対し、改善方法の提案や的確なアドバイスができること

が必要です。

先の二つは一朝一夕では身に付きませんから、育成担当の選出条件の一部とすることが多いでしょう。

後の一つは、指導育成者のレクチャー時に丁寧にすり合わせ、アドバイスの仕方や教え方の引出しを増やしておくと良いでしょう。

◊ ◊ ◊

ここで応用して頂きたいのが、以前ご紹介した 「 分けると分かる 」 という原則です。

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「 まず、知識。〇〇〇ということを教えるね 」

「 では次に、スキル。◎◎を高めるために◇◇で練習してみよう 」

など5つの領域ごとに分けて教えるというポイントの他、名刺交換の事例でご案内した

「 まず、私がお客様のどこに立つか……にだけ注目してくださいね 」

「 次に、私の顔の向きを良く見てください 」

「 では、次にお渡しする名刺の持ち方です。この手の部分、特に指先の位置に注目です 」

などセグメントごとに細かく分けて教えるという原則は、この5つのステップでこそ大活躍するはずです。

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