アクトビジョン 人と組織の未来のために

10月, 2011年

2011-10-31

紡がれた想いが動き出す時

人事や組織マネジメントを担う皆様をはじめ、人と組織を成長・発展させたい……
そんな熱い想いの皆様を、更に熱い気持ちで応援する人材育成のヒント集。

アクトナビの藤井です。毎々お読み頂きありがとうございます。

 
ご案内している、育成方針を明確にし、組織全体で共有する

今回は、共有と同時に取り掛かりたい、もう一つの大切なポイントをご紹介しましょう。

 
前回 掲出させて戴いたC社様の育成方針。

hrd_policy_02_S※こちらをクリックすると別画面で拡大します

ここで加えてご案内しておきたいのは、この育成方針が、日々の業務の様々な場面の中で 「 頻繁に使われている 」 という事実です。

指導育成者が育成メンバーとかかわる日々の場面。

組織責任者と育成メンバーとの面談の場面。

他、「 人事評価制度 」 の運用場面はもちろんですが、会議やミーティング、時には朝礼や夕礼で話題の素材として使われたこともあるそうです。

これを踏まえて、ご案内したいもうひとつのポイントです。

それは、育成方針はただ共有するだけではなく、

活用され続ける場面、推進されていく仕組み

を整え、その育成方針へ向かう様々な変化を加速させる……ということです。

育成方針を共有したなら、それを実現する具体的な打ち手や仕組みに取り掛かる。

丁寧に紡がれた言葉に、ひとりひとりが動き出す……その動きをそっと後押しするような、更に加速させるような……そんな打ち手や仕組みはないかな……と様々に想いめぐらせて、一つ一つ実行していくわけです。

 
C社様でも、育成方針を共有した後、様々な仕掛けや仕組みが実行されていきました。

そこから、一例として、ひとり一人が自らの行動計画へ落とし込む流れができるのですが、中でも新入社員の皆さんの動きがとても嬉しく、なんだかワクワクさせられたといいます。

例えば「Ambition」という項目の、新入社員から1~2年目にあたる開発・習熟期の中に、「 社会人としての基礎を固める 」 という方針があります。

これを受け止めた新入社員の皆さん。

では 「 社会人としての基礎が固まった状態 」 とはどんな状態なのか……と考えます。

けれど、各々が異なる状態をイメージしていては、かけがえのない同期の間で成長に違いが生まれてしまう……。

ここで2つめの項目「Collaboration」が登場します。

早速、「 協働 」 や 「 連携 」 の力を実践し始めたのです。

新入社員の皆さんは 「 コラボしよう!! 」 と声を掛け合い、自主的に集まり、議論を重ね、より噛み砕いた具体的な状態を整理し共有する……と様々な動きへ発展させていきます。

そして共有した状態になるために、毎日のプラスαの行動、毎週何をどんなペースで進めるか等の行動計画を新たに策定。

次の日からは上司も交え、日々互いに励まし合いながら計画を遂行……というアクションへ繋がっていきました。

( もちろん、そこに組織マネジメントを担う方々の、温かい応援やオブザーブ等があったことは言うまでもありません。 )

 
育成方針を共有した後の打ち手が、具体的な動き、新たなシーン、ワクワクする物語を創りだす。

そのための仕組みを整えアクセルを踏み込むことでこそ、組織の進化は加速します。

ここは 「 人事・評価制度 」 とも大いに連動するところですが、現場の育成視点からでも 「 OJTとOff-JT 」 「 PDCAサイクルの活用 」 「 人材育成のフォーメーション 」 などは、とても重要なポイントです。

それぞれについては、2つだけ別の視点を挟んだ後、順に詳しくご案内していきましょう。

← 「人の成長・組織の活性」前章へ・次章へ「人材育成とは」→

2011-10-25

共に働くかけがえのない人たちへ丁寧に言葉を紡ぐ

人事や組織マネジメントを担う皆様をはじめ、人と組織を活き活き元気にしたい……。
そんな熱い想いの皆様を、更に熱い想いで応援する人材育成のヒント集。

アクトナビの藤井です。毎々お読み頂きありがとうございます。

 
ご案内している 「 育成方針を明確にし、組織全体で共有する 」

今回は実例も含め、明確にした育成方針をどう共有するか……について、2つのポイントをご紹介致しましょう。

human_resource_development_method_009

 
早速1つめのポイントです。

前回のような流れで策定した育成方針。これを組織で共有する場面で大切なのが、

その流れの全体まるごとを共有する

ということです。

単に 「 〇〇〇力を高めてほしい、◎◎◎をもって成長とする 」 という帰着点だけでなく、理念や企業思想、方針や戦略……もう少し親しみやすくご案内するなら、

『 自社が大切にしている想いや考え方、自社が目指していること 』
『 何を、どうすることで、それを実現していくのか  』
『 それを推進するための制度や仕組み、フォーメーションや目指す風土 』

などをできるだけ踏まえ、だから

『 〇〇力を高めよう 』
『 ◎◎することを大切にしよう 』
『 ◇◇へ向かって成長しよう 』

と、その方針に至った背景や考え方も含めて共有するわけです。

その力を高めることが、どう活かされ、どんなことに繋がっているのか。
その力を高めることは、どんな未来を創るのか……。

単に成長の方向を示すだけでなく、その意義や目的まで深く根を張って共有

しているのが、人が育ち、人がイキイキと活躍している組織の共通点です。

 
次に、2つめのポイントとなるのが、組織のひとり一人に、

より浸透しやすい工夫・仕掛けをする

ということです。

明確にした方針を、すぐ取り出し確認できるようレジメや冊子にしてみる。

そのレジメや冊子を使って、じっくりレクチャーする機会を設けてみる。

大きな組織は質疑応答の場面を考え、新入社員向け、中堅社員向け、組織管理者向け……と、それぞれ階層別に編集や設定することも視野に入るでしょう。

また、そこで風に合った言葉を使う、口ずさみ易い語呂の良い言葉をキーワードにする、慣れ親しまれている言葉を選ぶ……等も、より浸透し易くするための見逃せない工夫です。

例えば、育成項目の頭文字から 「 三文字熟語 や 四文字熟語 」 の造語を創って共有する、有名な 「 5つのション、7つの習慣 」 等になぞらえ 「 5つの〇〇〇、7つの〇〇 」 等、連想しやすいキャッチワードで項目を展開する……等、様々な表現ができるものです。

このあたりは分かり易いよう、実例を通して詳しくご説明致しましょう。

hrd_policy_02_S

※こちらをクリックすると別画面で拡大します

上記は、沢山の皆様のお役に立てるなら……と、事例掲出をご了解戴いたC社様の育成方針の一部です。
( 階層ごとの編集がありますが、こちらは新入社員向けのものです。)

C社様は、ここ数年で急速に企業規模が拡大。

次期3か年計画を策定するにあたり、人事・評価制度の再構築と共に、それまでの人材育成への取り組みを更に発展させたい……と、私達にもお声掛けを頂き、育成方針を新たに再編されました。

この時、新たに人事・評価制度とも連動するキーワードを希求。

そこで衆知を集めた上で、私たちからご提案させて頂いた制度設計案のひとつが、上記の中の 「 ACHIEVE 」 というキーワードから連動する設計でした。

「 ACHIEVE 」 には 「 成し遂げる、達成する 」 という意がありますが、C社様では創業当初から社内でよく使われており、既に良く親しまれ社内に馴染んでいる言葉であったことも付け加えておきます。

 
ここで特にご紹介したいのは、前回 のような流れを経て明確化した育成項目を、その 「 ACHIEVE 」 の頭文字から始まる 「 私たちの7つのション 」 という形にし、より浸透し易くした点です。

A・C・H・I・E・V・E のそれぞれを頭文字として、全ての語尾がtion。

これなら5つを越えた 「 7つのション 」 でも、ひとり一人の中に残ります。

更に、社長様の創業時からの口癖である 「 Ambition 」 をはじめ、その一つひとつに丁寧な背景と成長段階ごとの指針を設計。

もちろん、ここではご紹介していませんが、前述の1つめのポイントもしっかり網羅され、「 企業理念や企業思想 」「 創業からこれまでの歩み 」「 成長ステージのギアチェンジ 」「 どんな価値をどんなやり方で提供し、どんなお客様にどう貢献していくのか 」 ……等、イラストや写真も交えてわかり易く伝えています。

 
育成方針に限りませんが、方針が本当の意味で組織に浸透するためには、組織ひとり一人の 「 感情的な動きを含めた共感 」 を伴うことが大切です。

ひとり一人が 「 理解 」 するだけでなく、「 納得 」 するだけでなく、「 共感 」 する。

そのためには、共に働くかけがえのない人たちを思い浮かべながら、丁寧に、熱意を込めて言葉を紡いでいく時間が必要になるかもしれません。

それは少しだけタフな時間ですが、組織のひとり一人が 「 よしっ! そこへ向かうぞ!! 」 と自ら動く姿を目にする度、とても意義ある時間だったと感じられるはずです。

←「人材育成・組織活性」前章へ・続きへ「育成方針の明確化P2」→

2011-10-20

自社の中のメッセージ – 育成方針を明確にする視界

人の成長。活性化する組織。

企業経営やマネジメントを担う皆様をはじめ、人と組織を成長発展させたい……
そんな熱い想いの皆様を応援する、人材育成のヒント集。

アクトナビの藤井です。毎々お読み頂きありがとうございます。

 
前回 ご紹介の、育成方針を明確にし、組織全体で徹底的に共有する

では 『 育成方針 』 はどうやって明確にすれば良いのでしょうか?

というご相談も多く戴きます。

今回は、育成方針を明確にする視界をご案内していきましょう。

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またまた “ なでしこジャパン ” で盛り上がっている女子サッカーの例で恐縮ですが、今回の “ なでしこジャパン ” の戦略では、『 パスサッカー・選手間の連携・セットプレー 』 や 『 チームプレー 』 などのキーワードが飛び交っています。

フィジカルの課題を克服するため、一人の選手の力量や個人技で勝とうとするのではなく、チームとしてパスを繋ぎながらセットプレーで点を取るという戦略です。

報道も、ひたすら連携プレーやセットプレーを練習している……と伝えるように、この戦略で求められるのは、正確なショートパスやスルーパス、そして的確な連携力。 

よって、なでしこジャパンでは、パスやセットプレーの上手くなった選手を 『 成長 』 と見なし、『 評価 』 して積極的に起用します。

一方で、個人技やドリブル力で突破し、強烈なシュートで点を取る戦略のアメリカチームやドイツチームは異なります。

選手間の連携の前に、まず徹底的に磨きぬいた個人技や鍛えあげたフィジカル。
それが、『 成長 』 と 『 評価 』 の証です。

サッカーも、企業における組織運営も、ある意味ここは同じところがあります。

要は、

『 育成方針は、企業方針や組織戦略の延長線上にある 』

ということです。

組織が異なり、理念や戦略が異なれば、身につけて欲しいこと、成長の視点が変わる。

組織と戦略によって、「 成長 」と 「 評価 」 の方向は様々に分かれていくわけです。
 
 
一例として、事例掲出をご了解戴いたA社様とB社様でご説明しましょう。

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A社様は、『 日本伝統の文化を通して、心豊かな暮らしを提供する 』 を企業思想として、企業方針のひとつに 『 伝統の継承 』 を置いている組織です。

当然、育成方針の一環も 「 伝統技術の習得・伝統文化の継承 」 というキーワードを置き、これまで日本人が脈々と培ってきた技術や文化を守りぬき、しっかり未来へ伝えられる人材を育成しています。

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一方、B社様は、『 変革と新しい価値の創造で、わくわくする未来を提供する 』 を企業思想として、企業方針のひとつに 『 これまでにない価値の創造 』 を置いている組織です。

こちらの育成方針には、「 オープンマインド・変革・創造 」 等のキーワードがあり、常識や思い込みから解放され、多様性を積極的に拡大する人材、現状を変革し、これまでにない新しい価値を生み出せる人材を育成しています。

かたや 『 守ること伝えること 』 を求め、かたや 『 変えること創ること 』 を求める組織。

どちらが良い悪いとか、どちらが正しい正しくないではなく、前述の例に戻るなら、これは日本チームとアメリカチームの違いのようなもの。

『 チームプレーや連携 』 と 『 鍛えあげたフィジカルや個人技 』 同様、追い求めるものが  『 継承 』『 変革 』 なのですから、それぞれの組織での必然・必要・ベストな育成方針は、それぞれ異なる形になって表されていくわけです。

これらは、一例として、下図のような流れで策定していきます。

human_resource_development_policy_Sample

『 経営理念や企業思想 』 、『 トップや組織で働く人たちの志や価値観 』 を入口として、『 内的資源 』、『 外的要因 』 等の分析を経た、組織の 『 ビジョンやミッション 』 。

ではそれを実現するために、何をどんなやり方でどうするのかという 『 方針・戦略 』 や、 そのために最適な 『 フォーメーション・しくみ・制度・風土 』 。

そこからは、自ずと個々のメンバーの

『 果たして欲しい役割 』『 生み出して欲しい成果 』『 成長設計 』

が導き出されてくるでしょう。

こういった流れをそれぞれ具体的な言葉にし、順に並べていく。

それを一呼吸置いてから、改めて見つめ直してみてください。

自社や自組織の現在から未来に沿って

『 自社らしい人材像・ありたい人材像・求められる人材像 』

が浮かび上がり、徐々に鮮明になっていくはずです。

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自社は、〇〇という理念を大切に、◇◇という強みを活かして、△△を戦略とする。

だから、

「 〇〇らしい人であるべき、◎◎な人でありたい、◎◎な人が求められる 」

ここまで描ききると、組織の人材育成……は一変します。

それは、いわば人材育成の目的地だからです。

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この後は、その目的地に向かって、組織内で共有するための道標や標識を創る感覚です。

特に急速に組織規模が拡大している組織ほど、ある地点を越えると、それまで掲げなくてもよかった道標や標識が必要になるものです。

向う目的地はどの方向のどこにあるのか……共に働くかけがえのない人たちが明確に分かるよう、項目を分けたり、成長段階ごとの指針を示したり、スローガンの形を交えたり……。

先ほどのチャート図は、汎用性の高い項目例として、必要な知識、身に着けるべきスキル、望ましい具体的行動と、それらを繋ぐ健全なものの考え方、そして、土台となるマインド ( 仕事への姿勢・意欲・スタンス・心構え・パッション ) を育成項目としたものです。

今いる場所……現状から、向かっていく目的地……理想とする人物像。

社員ひとり一人が、その方向と場所が分かるよう示すものが、育成方針というわけです。

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